歯科衛生士 2024年6月号
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bの1年後(2018年)。初期の根面う蝕が明らかになった。 表1に根面う蝕の臨床的特徴をまとめました1。露出根面に淡い色調変化、表面の粗造化、軟化が認められると初期の根面う蝕と診断されます(図17)。●歯頚線に沿って進行(環状う蝕)●う蝕表層から歯髄に至るまでの全域で硬さが低下(う蝕除去の際に要注意)●無痛性●一般的には、病変の進行速度は遅い。しかし、食生活習慣の変化や健康状態の悪化があると、急速に進行●歯頚線(セメント・エナメル境)●冠辺縁(頬舌、隣接面の部位特●露出根面歯肉縁●しばしば歯肉縁下に及ぶ●頬・舌面より隣接面に多い●複数歯面に発生●上顎前歯、下顎大臼歯、上下小6073歳男性。1露出歯根のモニタリングを開始した(2013年)。モニタリング開始から4年後(2017年)。3年間ほとんど変化が認められなかったが、根面う蝕の徴候がみられた。久保至誠 福岡歯科大学臨床教授・歯科医師(文献1より引用改変)発見が難しい初期の根面う蝕は時間軸で診ることが大切です。図17 発見が難しい初期の根面う蝕a表1 根面う蝕の臨床的特徴bc付近の根面異性はない)臼歯の順に多いPART3根面う蝕を早期発見するために知っておきたいこと発生部位進行形式臨床的特徴

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