歯科衛生士 2024年6月号
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10月号2023年下半期2歯を白くするだけではない!特集2[後編] う蝕・歯周病予防を考慮した管理はじめにAPPE_P051-064_DH10_toku2.p1.pdf 前編では、歯科医院でできる医療ホワイトニングと医療ホワイトニングを取り入れた審美的な主訴をもつ患者さんに対するメインテナンスについて詳しくご説明しました。後編では、歯を白くするだけではないホワイトニングの効P051-064_DH10_toku2.indd 513演者論202須崎 明Akira SUZAKI医療法人ジニアぱんだ歯科[愛知県]理事長・院長歯科医師坂井紀子Noriko SAKAI医療法人ジニアぱんだ歯科[愛知県]歯科衛生士CONTENTS[前編]PART1 Whatʼs ホワイトニング?PART2 ホワイトニング希望患者さんの来院時に確認したいことPART3 ケースプレゼンテーション坪井奈津美Natsumi TSUBOI医療法人ジニアぱんだ歯科[愛知県]歯科衛生士吉田真梨Mari YOSHIDA医療法人ジニアぱんだ歯科[愛知県]歯科衛生士[後編]52PART4 Whatʼs ホワイトニングプリベンション?56PART5 ケースプレゼンテーション果について詳しく解説いたします。また、患者さんの口腔内を長期的にメインテナンスしていくうえで、ホワイトニングをどのように活用していくかについても紹介します。Illustration:さかちさとOctober 2023 vol.47512023/09/12 8:54文ホワイトニングメインテナンスを取り入れた79須崎 明図3 ホワイトニング材の殺菌作用ホワイトニング材には歯周病菌やう蝕原因菌自体に対する殺菌作用が認められるが、バイオフィルム中への浸透性はあまり高くない。図4 ホワイトニング材の歯質強化歯を白くするだけではない!ホワイトニングを取り入れたメインテナンス [後編] 非医療ホワイトニングを行う方が増える昨今、医療ホワイトニングについてまとめました。後編では、ホワイトニング効果だけではない、う蝕や歯周病予防の効果(ホワイトニングプリベン ション)について掘り下げてもらいました。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングでは、本編で紹介いただいたホワイトニングの予防効果に差はあるのでしょうか?June 2024 vol.48〈引用文献〉1.向井義晴,飯塚純子.ホワイトニングをCariologyの視点から捉えて.In:特別企画2 ホワイトニングへの新たな視点を探る.日本歯科評論.2014;74(4):126-32. 本編(2023年10月号P.52~)で紹介したように、ホワイトニングは単に歯を白くするだけでなく、歯周病やう蝕原因菌を減少させる効果や歯質を強化する(再石灰化の促進、脱灰抑制、結晶性の改善)効果があります。これらの作用はオフィスホワイトニングとホームホワイトニングに認められると報告1されています。 ホワイトニング材には歯周病菌やう蝕原因菌自体に対する殺菌作用が認められますが、バイオフィルム中への浸透性はあまり高くありません(図3)。そのため、プロフェッショナルケアによりバイオフィルムを除去した後のホワイトニングによる殺菌作用がもっとも高くなります。オフィスホワイトニングでは前処置として歯面のバイオフィルムを除去することが前提ですので、オフィスホワイトニングの殺菌作用は高いと言えます。一方、ホームホワイトニングでは来院時にバイオフィルムを除去し、ホームホワイトニングを継続することで、ホワイトニング材による殺菌作用を高めることができます。 歯質強化の作用機序はホワイトニングにより歯の表面のペリクルが消失するため、リン酸やカルシウム、また、フッ化物や医療法人ジニアぱんだ歯科[愛知県]理事長・院長歯科医師CPP-ACPなどが歯質に浸透しやすくなるためといわれています(図4)。この消失したペリクルは時間の経過とともに再形成されていきます。これらの背景から、歯質強化に関しては漂白の頻度が高いホームホワイトニングのほうが有利となります。その際、セルフケアに用いる歯磨剤等にはフッ化物などの歯質の再石灰化を促進する成分が含有されていることがより効果を高めることとなります。ホワイトニングにより歯の表面のペリクルが消失し、歯質にさまざまなイオンが浸透しやすくなるため歯質が強化されやすい。Q2殺菌作用においてはオフィスホワイトニングが、歯質強化においてはホームホワイトニングが有利です。A2オフィスとホームではホワイトニングの予防効果に違いがあるのか知りたいです。 こと、全部答えます。

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