歯科衛生士 2024年6月号
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第11回 先月お伝えしましたよね。そもそも相手は「学ぶ気などないモード」なのだと。できれば通院を最短で済ませたい、くらいにしか思っていないところに「教え込まなきゃモード」全開で、いきなり歯周病のメカニズムをこと細かに教えちゃっても、ただ「はいはい」と聞くだけです。そして、真面目な歯科衛生士さんほど「なんとかわかってほしいのモード」になっちゃうので、かえって相手は引いちゃうかもしれません。圧が強すぎると、最悪の場合「歯医者嫌い」にさせちゃう可能性すらあります。なぜならば、多くの患者さんは「自分のケアが雑だったばっかりにヤバいことになってる」という自覚があるから。その負い目のせいで、説明されてる間じゅう、説教されてるようにしか聞こえない人たちなのです。「そもそもアンタがロクに磨かないからな」と。懇切丁寧にすればするほど、「わかってんの? え、どーなの? ホントにわかってんの?……とか思ってるんだろーなこの人」という気持ちが高まり、「はい…はい…」としか言えないのです。気をつけないとね。 そんな相手を一気に「学ぶ気モード」に変えちゃうのは、簡単ではありません。でも大丈夫。「ついつい聞いちゃってたわモード」になら、ちょっとがんばれば、誰だってできるようになりますから!85※本連載で示すスライドはすべて掲載許可をいただいています。伝説の番組のディレクターが教えるパワポ講座。「患者さんにワンポイントでお伝えする説明パワポ」を斬るシリーズの第2回です。シロートさんはどうしてもパワポの中身や、作成作業自体に気が行ってしまい、「それを聞く人にどうなってもらいたいか」がちょい「お留守」になってしまいがち。それを解決するための「考え方」を詳述します。Illustration:すぎやまえみこ北折 一Hajime KITAORI健康演出アドバイザー元NHK「ためしてガッテン」演出担当デスク1987年NHKに入局。1995年「ためしてガッテン」立ち上げに参加。以来18年間同番組の制作を続ける。2013年にNHKを退職後、健康演出アドバイザーとして主に健康教育分野で「人びとのよりよい生活のお手伝い」を目指し、講演・執筆活動を行っている。小社刊『歯科衛生士ブックレット Vol.1 説明のプロに聞く! メインテナンスの重要性をわかってもらうには!?』は、Amazon部門別で3ヵ月第1位を記録。June 2024 vol.48ここが「がんばりどころ」ですからね。次のページへ!“もっと伝わる”相手の「モード」を変えてから、じゃないとね。「筋道」を考える筋道

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