認知する。②小児の心身の成長発育や親子関係など幅広い知識をもって、子どもの食の問題の支援者となるよう努める。③他職種と連携を図り問題解決に努める。これを踏まえて、他職種との交流のもと、口腔機能に発達不全を認める小児に対し、適切な評価、検査、対応を可能にするために「小児の口腔機能発達評価マニュアル」5が作成され、同年に口腔機能発達不全症は保険収載された、という経緯があります。このような背景を知っておくと、私たちが行うべきことや現場で求められていること、それを達成するために配慮すべきことが明確になるでしょう。Kiyoe SHIMIZU清水歯科クリニック[東京都]副院長・歯科医師Illustrator:石山綾子(文献3をもとに筆者作成)September 2024 vol.481)歯科医師が咀嚼機能向上のための担い手であることを国民に認知する。2)小児の心身の成長発育や親子関係などの知識を研鑽し、子どもの食の問題の支援者となるよう努める。3)かみ合わせや摂食嚥下障害など専門性の高い対応を行い、多職種との連携に努める。35歯科医療機関向けアンケートの回答(一部)食の問題を相談されたことがある 食の問題に対応している 歯科で担うべき 得られた知見1.保護者と歯科医師との間に「子どもの食の問題」に対して認識の相違がある。2.歯科医師は咀嚼を重要視、保護者はう蝕やかみ合わせについての対応を求めている。3.保護者は育児についてのサポートを求めている。 食の問題の一端を担う歯科医療者がどこまでかかわれるのかが課題。4.保護者は食の問題を身近な人に相談して解決しているが、専門家の指導を必要とする者も 想定される。5.歯科医師が子どもの食の問題の支援者になるために必要なこと。60.1%44.7%83.4%幼稚園児、保育園児への保護者向けアンケートの回答 (一部)食事について心配事がある 53.8%専門家に相談したことがある 7.5%相談したのは歯科医師か 14.5%図1 「子どもの食の問題に関する調査」のアンケート結果および知見 発達不全症清水清恵
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