nddfur.i 1 :%歳&1417リスクマネジメント[監修]大渡凡人 九州歯科大学あんしん科(障害者歯科)病院教授・歯科医師整 不整DL付録とじ込み使い方Column1生体情報モニタ 高齢者の歯科診療を安全に行うには、以下のような対応が必要です1。①病歴聴取などにより患者さんの疾患、薬剤、フレイルなどを明らかにします。②バイタルサインを測定し、異常がないかを確認します。バイタルサインとは体の重要な生理的機能を数値で表したものです。古典的には血圧、脈拍、体温、呼吸数をいいますが2、今では経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)も含みます3,4。③医師から正確な情報を得ます(コンサルテーション)。そして、これら①~③の情報を総合して、予定する歯科診療を行った場合に、どのような全身的偶発症が、どの程度の確率で起きるか、というリスクを予測します。そのうえで、そのリスクを低下させるために必要なリスクマネジメントを考え、実行します。 さらに、もうひとつ重要なことがあります。それは、診療中に突然起きた異常を早期に発見し、対応することです。これを実現するためには、「生体情報モニタ」という装置が有用です(図1)5。この装置は先に述べたバイタルサインの計測でも役に立ちます。 バイタルサインの異常値は、循環器や呼吸器(など)になんらかの異常が発生していることを示します。また、バイタルサインは重篤な全身的偶発症に先駆けて変化する指標でもあります6。そこで、このバイタルサインをモニタリングすることにより、患者さんの隠れた異常、たとえば高血圧や不整脈などを発見し、治療中の全身的偶発症に先行する異常を早期に発見して、リスクや被害を最小限にすることが可能になります。生体情報モニタはバイタルサインをモニタリングする「ツール」として有用です。生体情報モニタは高価ではありますが、安全の確保のために院長と購入を相談されるのもよいのではないでしょうか。DH10_報整理にお役立てくださいをダウンロードして患者さんの情本シートをコピーまたはPDF版oku2024/09/04ID#1#2#3#4#5M1M2M3M4M5M6M7M8M9M10SpO2P1P2P3P4P5 ﹇監修﹈大渡凡人例:内科受診していただき、降圧薬により<140/90mmHgになったら歯科診療を開始する。歯科衛生士2024年10月号とじ込み付録 ©QPC把握できる患者情報整理用カード全身のリスクをcm薬剤身長kgmmHgmmHg体重収縮期血圧拡張期血圧脈拍数bpm経口抗凝固薬抗血小板薬薬剤アレルギープロブレム(問題点)例:初診時の血圧が190/76mmHgであった。/ /治療日付時刻患者氏名歯式年齢男性 女性歯科衛生士病歴27October 2024 vol.48図1 生体情報モニタの1例治療前に血圧のカフとパルスオキシメータプローブを装着し、血圧測定間隔を2.5~5分位に設定する。モニタが自動的に血圧、脈拍数を計測してくれるので、異常値が出ないことを確認しながら、診療を進める。Illustration:中川視保子大渡凡人Tuneto OWATARI九州歯科大学あんしん科(障害者歯科)病院教授・歯科医師生体情報モニタ患者情報整理用カードとじ込み&DL付録全身のリスクを把握できる患者情報整理用カード患者さんの基本情報をまとめて管理するためのカードです。安全な歯科治療を行うためにご活用ください。
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