歯科衛生士 2024年10月号
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53October 2024 vol.48歯科衛生士の臨床にも大きくかかわるCBCT 歯科用CBCT(歯科用コーンビームCT、Cone Beam Computed Tomography、以下CBCT)が一般的な歯科医院の臨床現場で活用されるようになって10数年経過しました。日常臨床に取り入れられていることから、最近では歯科衛生士による症例報告においてもCBCT画像を目にする機会が増えています。 CBCTは、従来の2次元画像(パノラマ・デンタルエックス線写真)と比較し、3次元の画像であることから、歯や顎骨の立体的な構造を詳細に把握することが可能です。これにより、今までは見ることのできなかった解剖学的な構造を理解できるようになり、日常臨床にて正しく活用した際には診断と治療計画の精度が高まっています。 歯科衛生士は日々の業務において、患者さんと直接コミュニケーションを図る機会が多いです。う蝕や歯周病の進行度、その他の疾患に対して、パノラマ・デンタルエックス線写真のみでは判断を伝え切ることの難しい現状を視覚的に示すことで、患者さんの納得が得やすく、不安が軽減し、治療への協力が得られやすくなることもメリットであると考えられます。また、術者の視点からも、3次元的な歯根形態の把握や、永久歯の萌出のチェックを行ったり、補綴治療に関する理解を深めたりすることにより、治療全体のクオリティーを高めることができます。 歯科衛生士がCBCTの知識を深め、適切に活用することは、チーム医療の一環として非常に重要です。歯科医師とともにCBCTを理解し、読影スキルを高めることで、日常臨床の質向上につながるものと考えます。 本特集では、3回にわたってCBCTについて取り上げます。まず、今回はCBCTとはどういうものなのか、どのように画像が構成されるのかなど、はじめにおさえておきたい原理原則について解説します。講座

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