歯科衛生士 2024年10月号
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第15回 「プレゼンの教本」に書いてあるとおりに作っても「心に響くものにはなりにくい」と、前号でお伝えしましたね。一番の理由は「受け入れやすくなる手法」ばっか書かれてて、「受け取りたくなる」ためのノウハウが足りてないからだと書きました。で! 実はぼく、そーなっちゃう理由を見つけています。それは、健康教育の分野のプレゼン本を、その分野の人が書いているから。「伝えるべき内容」をガチガチに持ってるけれどもなかなかうまく伝わらない……そんな状況の中から、ちょっと上手にできる人が伝え方を学んで身につけた手法が紹介されてるものばっかだからです。なんとこれ、NHKの視聴率の低さと根っこは同じ。伝えるべき内容をガチガチに持ってることが裏目に出てるんですよね。 ぼくはNHKの中ではかなりの異端児でした。ガッテン人生18年のうち丸16年は取材も撮影もぜんぜんやらないで、ほかのディレクターがつかんだネタを「どう伝えれば伝わるかだけ考える役職」というのを自分で新設してやり続け、異例の高視聴率を取り続けたのです。だから見えちゃうってワケです、伝わる道筋が。それに気づいてくれた本誌編集長、お目が高い! だって歯科と関係のないぼくが5ページの連載を1年半も、ですよ。大胆過ぎますよね。そりゃ、ライバル誌のプレゼン関連記事には絶対に載らないような、元テレビ屋ならではの情報を書かなきゃなのですよ。今回はその「奥義」を伝授いたします。75元NHKディレクターによるプレゼン講座も、残すところ3回。お伝えしたいことがまだまだ山ほどある中から何を選ぶべきか、めっちゃ悩ましいところです。また誰かの作品を添削し始めるときっと3回では収まらないのでそれはあきらめ、今回は「元テレビ屋でなければ、教えられないこと」に絞ってお伝えすることにしました。※本連載で示すスライドはすべて掲載許可をいただいています。歯科に、もっともっとテレビのワザを。次のページへ!!Illustration:すぎやまえみこ北折 一Hajime KITAORI健康演出アドバイザー元NHK「ためしてガッテン」演出担当デスク1987年NHKに入局。1995年「ためしてガッテン」立ち上げに参加。以来18年間同番組の制作を続ける。2013年にNHKを退職後、健康演出アドバイザーとして主に健康教育分野で「人びとのよりよい生活のお手伝い」を目指し、講演・執筆活動を行っている。小社刊『歯科衛生士ブックレット Vol.1 説明のプロに聞く! メインテナンスの重要性をわかってもらうには!?』は、Amazon部門別で3ヵ月第1位を記録。October 2024 vol.48“もっと伝わる”医療者じゃないから見える道筋テレビ屋的発想法のススメ

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