歯科衛生士 2015年3月
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診診療療超高齢社会に突入した今、歯科医院の守備範囲はもはや来院できる患者さんだけではなくなっています。むしろ、来られなくなった人たちにも積極的に手を差し伸べ、歯科医院から地域までシームレスにかかわっていくことは、時代の要請であるといえるでしょう。今月号から、全国ですでに訪問歯科に出ている歯科医院の取り組みを、マンガで紹介します。現場のようすをさまざまな歯科医院の事例から知ることで訪問診療に対するモチベーションが上がり、心のハードルが下がれば幸いです。今の歯科医院、および歯科衛生士の課題は何かを感じていただければと思います。次のページからマンガがスタート! はじめまして、院長の小玉です。20年前に東久留米で開業して以来、診療室での診療とともに、訪問診療も行っています。今まで通院できていた患者さんがガン末期となり、口腔内の痛みを訴え訪問診療を依頼されたことや、脳卒中で半身麻痺のある患者さんが通院途中に転倒して大怪我してしまったことなどをきっかけに、訪問診療に行くようになりました。それ以来、「歯・お口から全身の健康を守り、あなたの心身に適合した予防、治療、リハビリを行う」をモットーに取り組んでいます。 今回の事例をふまえて、メインテナンスによって患者さんの口腔の健康を管理できていても、それが途絶えると状態は容易に悪化すること、患者さんの気持ちの変化は、口腔内、全身に現れることを感じ取っていただきたいと思います。もともと当院に通われていたものの、その後通院が困難となり、訪問診療に移行した音無さんとのストーリーをご紹介します。今回ご紹介する患者さんとのストーリー音おと無なしさん本症例の患者さん。86歳女性。独居でお泊まりデイサービスを利用している。車いすのため、ご主人に先立たれてからは通院が困難となり、今回の訪問診療に至る。小玉先生こだま歯科医院の院長。シゲルさん音無さんの長男。60過ぎ。普段は八王子に住んでいるため、週末にはお泊りデイから自宅に音無さんを連れて帰って世話をしている。歯科衛生士こだま歯科医院の歯科衛生士。小玉先生とともに音無さんの訪問診療に出向く。登場人物小玉 剛Tsuyoshi Kodamaこだま歯科医院 院長 まっています! まっています!19歯科衛生士 March 2015 vol.39

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