歯科衛生士 2015年11月
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習慣づけには「発達にあわせた&子ども 習慣づけのためには、各時期における歯と口腔の状態、理解力や手指機能の発達などを把握したうえで、子ども自身の気付きを促すような指導が大切です。 この時期の子どもたちは、メインテナンスのたびに発達や生活の変化が大きいものです。初診でも再診でも、指導をする前には、その子の全身的な成長変化をみながら、どの程度磨けているか、ブラッシングがどの程度習慣化されているかなどを評価する必要があります。指導の前に現在の習慣づけ&発達のレベルをチェック習慣づけのための2つのポイント11 PART発達にあわせて指導方法&アプローチ対象を変える発ア11 POINT 子どもの歯や口腔の状態、理解力や手指機能の発達の度合いに応じて、ベストな指導は変化します。 3~5歳は、まだ子どもの理解力が十分でないことと、技術面でも細部までのブラッシングは難しいため、保護者を中心にアプローチします。子どもにはできるだけわかりやすい言葉を用いて説明(イラストや写真を用いてもよい)し、また磨き方の指導も手指の発達に応じて行います。 6歳以降の学童期になると、子どもの理解力や技能も徐々に高まってくるため、いろいろな説明や食生活指導は親子いっしょに行いますが、子どもに対するアプローチを増やしていきます。 そして8歳以降では、ブラッシング指導は子ども中心となっていきます。 11~12歳ごろには「自分の健康は自分で守る」という意識を育て、子ども自身で自主性を持ったブラッシングを実施できるようサポートします。また、食生活でも食べ物や食習慣を自らコントロールする力を養っていきます。日常のブラッシングをチェックメインテナンスの際に日常のブラッシングの状況をチェックして、習慣化されているか確認します。口腔内の変化をチェック新しい歯の萌出など、口腔内の変化があるなら、それに合わせた新たなブラッシング・食生活指導が必要かどうかを判断します。う蝕や歯肉炎をチェック前回の状態と比較することで、日常のブラッシングの実施状況を推測できます。ブラッシングの技術が習得されていても、ていねいに磨く習慣がついていないと、う蝕や歯肉炎は解決されません。食生活をチェック子どもや保護者への問診を通じて、食生活に問題がないかも確認しておきます。歯科衛生士 November 2015 vol.3930
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