歯科衛生士 2015年11月
3/8

3~12歳が勝負どころ!気付きを引き出すアプローチで、気付きを引き出すアプローチで、生涯のブラッシング習慣と食習慣を手に入れる!年齢別 自身に“発見”させる指導」がカギ!歯科医療者はつい「~してください」という指導をしてしまいがちですが、子どもの発達や意欲を考えない「一方的な指導」では効果が上がりません。を理解してもらい、ブラッシング技術の上達を促します。そのためには、①問題の発見(何が問題か気付いてもらう)②解決策の発見(どうすればいいか見つけてもらう)③解決策の実践(やればできると体験してもらう)の3つのステップを踏むように指導することが重要です。 では、発見・気付きを与える指導について、学童期の歯肉炎を例に見てみましょう(図1)。図1 発見・気付きを与える指導(歯肉炎の例)発見・気付きを与える指導をする発22 POINT 新しい習慣は、頭ではこうしなくてはいけないとわかっていても、なかなか定着しづらいものです。子どもの場合も同様で、「こうやって磨きなさい」と一方的に言ったところで、その場ではわかってくれたようでも、次回の来院時に見てみると、言ったとおりにしてくれていなかった、ということがよくあります。 そうならないためには、子ども本人の興味や学習意欲を喚起することが大切です。そうしてから、ブラッシングの目的鏡で自分の口の中を観察してもらいます。歯肉が赤く腫れている部分はブラッシングをしたときに血が出やすいことなどから、歯肉炎に気付いてもらいます。「ここが悪くなってるよ」とすぐに答えを教えるのでなく、ほかの健康な部分と比較して注意を促すなどして、答えに気付くヒントを与えるのが大切です。問題の発見 (何が問題か気付いてもらう)歯肉炎がよくなるにはどうしたらいいのか、まずは自分で考えてもらいます。ヒントとして、プラークの染め出しを行い、汚れの残りやすい部分に歯肉炎が発生しやすいことに気付いてもらいましょう。それから、ブラッシングで予防・改善が図れることを教えます。解決策の発見 (どうすればいいか見つけてもらう)鏡を見ながら実際に磨いてもらい、歯ブラシの当て方や動かし方を工夫することで染め出し部分(プラーク)が除去できることを体験してもらいます。どうしたらうまく磨けるようになるのか、まずは本人に工夫させてから、効果的なブラッシングの仕方を教えます。解決策の実践 (やればできると体験してもらう)4こうした発見・気付きを促す指導が、子どもの学習意欲を刺激し、習慣づけのきっかけとなります。それでは、実際にどのような発達状況で、どういった指導をすればいいのかを、次ページからみていきましょう。3121~3を繰り返すことで、徐々に習慣になっていきます。習慣化の31歯科衛生士 November 2015 vol.39

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です