歯科衛生士 2015年11月
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老年歯周病学特集全国縦断!Illustration:ひらたともみシシーームムレレスス 長長崎崎県県・・長長崎崎市市歯科ではあたりまえに行われている歯科ではあたりまえに行われている一つひとつの処置が、実は非常に大きな意味をもつ!一つひとつの処置が、実は非常に大きな意味をもつ! 1996年頃、長崎県の「寝たきりゼロ戦略検討会」という会で座長を務めていた医師より、「歯科には障害学はないのですか」という問いかけをされました。それまで、診療室で健常者を中心に診ていた私にとっては、大変ショッキングな出来事でした。 その後、その医師の勧めで、在宅の寝たきりの高齢者を訪問看護師とともに拝見することになりました。そこで、訪問看護師から「この患者さんの状態に、歯科の先生方は何もかかわる必要がないのでしょうか」と投げかけられ、非常に衝撃を受けました。この言葉が、それまで20年ほど矯正歯科や小児歯科を中心に行ってきた自分の歯科臨床を大きく変えていくことになったのです。すなわち、歯科医療者である以上、健常者だけでなく、障害を有する対象者の口腔の健康づくりに責任を持つことが大切であると気付かされたのです。これを機に、私はシームレス診療で、健常者、障害者を問わず「口の形態の修復から、機能の障害への対応」をしっかりできる歯科医療者へと進化しなければと思いました。 今回は、その思いを胸にかかわってきた2人の患者さんについてご紹介します。歯科で何気なく行われている治療やケアが、実はその人のQOL向上に非常に大きく影響することを感じていただけたら幸いです。今月の「シームレス診療実践医院」はこちら!角町歯科医院(長崎県長崎市)健康な人だけしか見ない、それは医療ですか?歯科衛生士 November 2015 vol.3974
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