歯科衛生士 2019年6月
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浜野美幸Miyuki HAMANO千葉歯科医院[東京都] 院長・歯科医師ContentsP.22PART1 「口腔機能発達不全症」ってなんですか?P.28PART2 DHが口腔機能発達不全症にかかわるとどうなる?P.30PART3 “いつもの診療”のなかで診るためにPART4 なにから始める? 口腔諸器官の運動訓練PART5 ケースで学ぼう! チェックと指導の実際[後]実践編(次号掲載予定)[前]知識編(今号掲載)A子ちゃんの口もとA子ちゃんの口腔内ある日、4歳の女の子A子ちゃんが来院しました筆者は少し気になったことがあったので、お母さまに尋ねましたさらにたずねてみると……「困りごと」がみつかりましたOHI、クリーニング、フッ化物塗布の予防処置を終えました皆さんでしたら、と言って終了にしますか? 臨床の現場では、上記のように問いかけをして初めて親から「困りごと」の話を聞くことはよくあります。 現在、歯科医師や歯科衛生士に食事、発音、呼吸のことなどを相談しようと思う保護者はほとんどいないと言ってよいでしょう。もちろん保護者は口腔機能発達に問題があるとは、気づいていません。 つまり、「口腔機能発達不全」は親も認識していないが現実的には子どもたちに生じているものです。この問題に対して、われわれ歯科医療者も新しい姿勢で取り組んでいく必要があるようです。 口腔機能発達不全は、う蝕のように現症が視覚で理解できないことから「わからない」と思われがちですが、病態を理解することで、診るべきポイント、聞かなくてはならない事項がわかってきます。今までとは違った視点を持ち、患者さんに声をかけ、耳を傾けてみませんかIllustration:溝呂木一美、飛田 敏21歯科衛生士 June 2019 vol.43

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