1特集いつもの撮影や検査の記録、 22歯科衛生士 November 2021 vol.45 多くの歯科医院において、歯周治療やメインテナンスを行ううえで、口腔内全体を検査し記録することは重要な歯科衛生士業務の一つであると言えます。 表1のような観点から、当院ではすべての患者さんに 実際に、当院の担当歯科衛生士は資料採得時に患者さんとうまくコミュニケーションを取り、補綴治療にも役立つ情報を収集し、それを歯科医師と共有しています。歯周治療と比べて、補綴治療は歯科衛生士にとってなじみのない分野であると感じられるかもしれません。しかし、初診時から補綴治療時、メインテナンスまで一貫して担当歯科衛生士がかかわることで、患者さんとの信頼関係がより深ま対して資料採得を行っています。この資料採得時に得られる情報は、歯科衛生士の担当する歯周治療やメインテナンス時に活かせるだけでなく、歯科医師が行う補綴治療時の“診断”と”治療計画立案”にも活かすことができます。り、メインテナンス率の向上につながるということも当院では経験しています(図1)。そのため、補綴治療に関する視点を持って資料採得を行うことは歯科衛生士、歯科医師、そして患者さんにとっても有用であると感じています。 そこで今回は、当院の歯科衛生士が行っている資料採得時の補綴的視点とそのポイントについて説明していきたいと思います。資料採得はすべての治療に不可欠である歯科衛生士が補綴治療にもかかわることのメリット理想的な補綴 資料採得
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