歯科衛生士 2021年12月号
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2Partこれだけは!唾液の出やすさ飲み込むためには、食べ物を唾液で混ぜ、適切な食塊をつくる必要がある乾燥状態乾燥していると食べ物を受け入れにくかったり、疼痛で食べられないことがある、また免疫機能も低下していることが多い清掃不良箇所口腔内が汚いと発熱や誤嚥性肺炎を起こしやすい口臭口腔内の悪玉菌が多いだけでなく、糖尿病など全身の状況を示す場合もある54歯科衛生士 December 2021 vol.45 ふだんの口腔ケア時に実践していることだとは思いますが、まずは、「今日もお元気ですか?」「ごはん食べてますか?」など患者さんへ声かけをしながら、心身状況を把握していきます。「食べる」機能が落ちている方の場合、全身機能などその他の機能も落ちている場合も考えられるため、毎回声かけをしながら、その方の全身の状況を把握することが重要です。 また、本誌2021年5月号に詳しく解説しましたが、特に認知症などの患者さんにおいては、しゃべりすぎると逆に混乱させてしまう場合もあるため、ユマニチュードなどの技法を使いながら、把握していきます4)。そのうえで、基本の口腔内チェックを行います。ここからは、誰でも簡単に継続して行える「食べる」の評価を紹介します。基本の口腔内チェック「食べる」に大きくかかわる3つの要素 “食べる”には、P.52図1のKTバランスチャートに示されているように、口腔状態だけではなく、姿勢や食物形態、食事動作(食具を変えるなど)、摂食状況(食事時間を変えるなど)など多くの要素を考える必要があります。しかし、前述のとおり、検査は「総合的でありながらもシンプルで継続できるもの」でなければ意味がありません。 そこで、筆者らが行った研究では、“食べる”を考える際に、このなかでも特に「咀嚼」「姿勢」「呼吸状態」の3つの要素が強く関係していることがわかりました3)。つまり、食べる力が落ちてきたと感じる患者さんを見かけたら、まずはこの3つを評価できるとよいということです。これらは、専門的な知識を必要としないため、誰でも行えますし、多くの人に伝えやすいものです。 また、本研究では食べられない人のほうが食べる意欲が強く、一見全身状態が悪くても食べられる人が多くいました。つまり、「意欲がない」「全身状態が悪い」などの理由で食事を止めることは根拠がなく、きちんと「食べる」を評価したうえで、対応を決める必要があります。ここからは、この3つの要素が「食べる」にどうかかわるか、これらをどのようにチェックすればいいか、詳しくみていきましょう。Check、その前に口腔ケア時にできる! 「食べる」を把握する 

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