歯科衛生士 2021年12月号
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[アドバイザー委員(50音順、敬称略)]奥山洋実/小林明子/塩浦有紀/田村 恵/山口幸子 皆さんは歯科医院に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。歯科衛生士になる前は、それこそ「苦手」「怖い」「痛い」といったマイナスのイメージを持っていた方も多いかと思います。 実際、筆者が日頃から診ている患者さんのなかにも、歯科医院が苦手な方は少なくないように感じています。しかし、「歯科医院が苦手」という理由で通院が途絶えたり、痛みが強くなるまで我慢したりしてしまうと、口腔内の状態は次第に崩壊していき、QOLの低下を招きかねません。このような苦手意識を持った患者さんだからこそ、真摯に向き合い、信頼関係を構築し、少しでも歯科医院に対するイメージや自身の健康に対する価値観を変えてもらえれば、定期通院や、健康寿命の延長につながると考えています。 本症例は、幼い頃に無理矢理抜歯された経験から、歯科医院への苦手意識が強く、歯科治療に対する恐怖心からなかなか一歩が踏み出せなかった患者さんです。転倒による外傷をきっかけに当院を受診された後、少しずつ信頼関係を構築していくうちに、患者さんの健康観が上がり、定期的なSPTにつなげることができましたので、ご報告します。CASE10(最終回)78歳(2019年7月初診時)、女性●25歳●2017年宇都宮歯科衛生士専門学校卒業●臨床経験年数:4年●所属学会・スタディーグループ:日本歯周病学会、Think Twice●勤務先:歯周基本治療とメインテナンスを徹底している。管理栄養士と連携し、全身の健康管理も行う。娘夫婦と同居中なし79家族構成喫煙歴本欄では、臨床に取り組まれている歯科衛生士の方にご登場いただき、日頃から後進の育成にあたっているアドバイザー委員のアドバイスを受けながら症例報告をまとめていただきます。臨床を振り返り、さらなるステップアップにつなげていただく場、また症例をシェアすることでともに学び合える場としていただけることを期待しています。CASE PRESENTER年齢、性別主訴玄関で転倒し、下唇から出血している歯科的既往歴8年前に67を抜歯 3年前から骨粗鬆症(エディロール服用)、高血圧(アムロジピンとリシノプリル服用により125/60mmHgに安定)全身的既往歴Ayana Takano長谷川みらい歯科・矯正歯科[栃木県]歯科衛生士歯科衛生士 December 2021 vol.45誌上ケースプレゼンテーション高野綾那歯科恐怖症患者を定期通院につなげた症例[キーワード] 信頼関係、歯科恐怖症、定期通院表1 患者さんの基本情報 はじめに歯科治療に対する恐怖心に配慮して良好な信頼関係を築く

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