歯科衛生士 2022年2月号
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●48歳●1993年名古屋デンタル衛生士学院卒業●臨床経験年数:28年●勤務形態:非常勤●日本臨床歯周病学会の所属支部:中部支部●その他所属学会、スタディグループ:PAFの会●勤務先:「健やかで、幸せな人生をともにあゆむ」を理念に掲げ、う蝕や歯周病の予防を中心とし、地域密着型の歯科医院として乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層への診療を行っています。Hatsumi GOTOいまえだ歯科[愛知県]歯科衛生士7248歳(2013年4月初診時)、男性全身的既往歴とくになし喫煙歴特記事項初診時の主訴、既往歴、全身状態などの情報を示す。[監修委員(50音順、敬称略)]雨宮 啓/吉田 茂/高井康博 (日本臨床歯周病学会)10年前より禁煙会社経営につき多忙とのこと本欄は、(特非)日本臨床歯周病学会監修のもと、会員の歯科衛生士の方々にご登場いただき、日常臨床から学びが得られたケースを症例報告としてまとめていただきます。ご自身の臨床経験について、読者と共有し、学び合える場としていただけることを期待します。表1 患者の基本情報はじめに多忙で清掃不良気味な患者さん[キーワード] 治療中断、再初診、擦過傷年齢、性別主訴奥歯がぐらぐら動いて気になる、歯ぐきが腫れてたまに痛む、歯磨きをすると血が出る歯科的既往歴4年前に6のう蝕治療を受けて以来の受診。定期的な通院経験はなし 筆者は、患者さんのモチベーション向上やプラークコントロールの確立が、歯周治療において良好な結果を得るためには非常に重要であると考えています。 初診時からSPTに至るまで患者さんのセルフケア能力の向上およびその継続をサポートしていくなかで、歯科衛生士はそれぞれの患者さんの口腔内の状態に合わせたブラッシング方法を指導する必要があります。とくに、歯周外科治療後は歯肉の回復を妨げないよう、歯肉の治癒に合わせて段階的にプラークコントロールの方法を変えていくことが必要だと思われます。 本稿では、歯周外科治療後に数年間治療を中断した後、再度歯周基本治療、歯周外科治療を行い、さらに歯肉の治癒に合わせた口腔衛生指導(以下、OHI)の後、SPTへと移行した症例を提示します。 本症例の患者さんは2013年4月、歯Case PresenterCase 2後藤初美再初診の歯周基本治療時に、モチベーションの向上がみられた1症例Case Presentationプラークコントロールの確立につながった患者さんが疾患を理解し、モチベーションの向上や

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