歯科衛生士 2022年3月号
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● 歯科衛生士または歯科医師が行うプロフェッショナルケア● 歯の表面に高濃度のフッ化物を直接作用させる手段で、フッ素の取り込み量が大きい萌● とくに1~13歳に推奨されるが、隣接面う蝕や歯根面う蝕が問題となる成人・老年者● とくにう蝕のできやすい萌出後2~3年の間は歯科医院などで継続して(少なくとも● 剤形は3種類あり、口腔内にシリカを含むセラミック、コンポジットレジンやチタンが存在する場合は中性のフッ化ナトリウムを使用するが、小児の場合はリン酸酸性フッ化ナトリウム(APF)のほうが歯との反応性が高く、塗布回数が少ないため、中性のものより効果的(表1)●第1回 フッ化物配合歯磨剤●第2回 フッ化物洗口●第3回 フッ化物歯面塗布石塚洋一Yoichi Ishizuka歯科医師博士(歯学)東京歯科大学衛生学講座 講師表1 日本で利用できるフッ化物歯面塗布剤(2022年1月現在)出直後の歯に対して行うのがもっとも効果的にも有効6ヵ月に1回)繰り返し塗布することが大切Illustration:岸 潤一(文献1より引用改変)March 2022 vol.4667*すべて医療用医薬品フッ化物イオン濃度9,000ppm最終回溶液ジェルフォーム酸性 フルオール®液歯科用2% (ビーブランド・メディコーデンタル)中性 フッ化ナトリウム液 ネオ(発売:ナルコーム/製造:ネオ製薬工業株式会社)酸性 フルオール・ゼリー歯科用2%(ビーブランド・メディコーデンタル)酸性 バトラーフローデンフォームA酸性2%(サンスター)中性 バトラーフローデンフォームN(サンスター)小児および口腔内にシリカを含むセラミック、コンポジットレジンやチタンのない人中性 フッ化ナトリウム液ネオ(発売:ナルコーム/製造:ネオ製薬工業株式会社)中性 バトラー フローデンフォームN(サンスター)口腔内にシリカを含むセラミック、コンポジットレジンやチタンのある人フッ化物歯面塗布前の歯面清掃は完璧に実施する必要はなく2)、多少プラークや色素沈着物が残っていても効果に大きな違いはない。う蝕予防のためには「歯面清掃は不必要」と記載している論文3-5)もあるが、歯肉炎の予防や糖質による酸産生の観点からは、できるだけプラークを除去することが望ましいことに留意すべきである。フッ化物応用は、半世紀以上にわたる研究に支えられ、う蝕予防としての効果が明確に確立されている手段です。本連載では、日本での各フッ化物局所応用について、文献をもとに時系列で追いながら一緒に実態をつかんでいきましょう。文献でひも解くヒストリーフッ化物歯面塗布

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