歯科衛生士 2022年7月号
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●36歳●2007年福岡歯科衛生専門学校卒業●臨床経験年数:14年目●勤務形態:非常勤●日本臨床歯周病学会の所属支部:九州支部●勤務先:「先進の設備と歯科治療ですべての患者さまのお悩みを解消する」をコンセプトに、地域のかかりつけ歯科医院を目指している。6の歯ぐきが腫れて噛めないので、歯周病の2治療をしてほしい。もうこれ以上歯を失いたくない全身的既往歴特記事項なし喫煙歴初診時の主訴、既往歴、全身状態などの情報を示す。[監修委員(50音順、敬称略)]雨宮 啓/吉田 茂/高井康博 (日本臨床歯周病学会)なし74本欄は、(特非)日本臨床歯周病学会監修のもと、会員の歯科衛生士の方々にご登場いただき、日常臨床から学びが得られたケースを症例報告としてまとめていただきます。ご自身の臨床経験について、読者と共有し、学び合える場としていただけることを期待します。表1 患者さんの基本情報はじめに事前に説明したうえで検査を実施 歯科衛生士の役割は歯周治療の基礎を担うことであり、それによって治療結果を左右することも十分あると考えています。歯周基本治療における口腔衛生指導(OHI)やスケーリングルートプレーニング(SRP)はもちろん、特に重度歯周炎においては、長期にわたるモチベーションの維持や、治療内容とその見通しの説明、外科治療における術前・術後の対応等が必須であり、患者さんと歯科衛生士との信頼関係の構築が重要となります。さらに、歯科医師と歯科衛生士が歯周治療に関して共通認識を持っておくことで、歯科衛生士が患者さんと歯科医師をつなぐ架け橋になれると考えています。 本症例は、「歯周病の治療を受けたい」「もう抜歯はしたくない」と訴えて来院された患者さんです。患者さんの思いを尊重し、共に悩みながらセルフケアを模索し、歯周基本治療からその後の治療を経て、良好な経過を得ることができました。歯科衛生士としてどのように治療に携わったのかをお伝えします。 患者さんは初診時65歳女性です(表1)。主訴は26歯肉の腫脹で、全顎的な治療を希望されていました。5年前からメインテナンスを継続して受けていたものの、歯肉腫脹や動揺など症状の改善は見られず、続けて抜歯になったということで、「これ以上歯を失いたくない」と言われました。ホームページや知人の紹年齢、性別主訴歯科的既往歴5年前から歯科医院に通院していたが、腫れを繰り返していて気になっていた[キーワード] 歯科医師との共通認識、重度歯周炎、包括治療65歳(2016年初診時)、女性 Tsubomi Nobeta溝上歯科学研都市クリニック[福岡県]歯科衛生士 日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士Case Presenter延田つぼみCase 7重度歯周炎に対して包括治療が行われた一症例Case Presentation認識を共有したうえで介入する歯科衛生士と歯科医師で

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