図1 初診時の口腔内写真口腔内の清掃状態は比較的良好だが、2遠心や6遠心、6の歯肉には発赤、腫脹が強く認められた。図2 初診時のパノラマエックス線写真水平性骨吸収に加え、一部垂直性骨吸収が認められた。75介もあって、当院に来院されました。 歯周治療を進めるにあたって、初診時の検査で患者さんの口腔内の状態を把握することは極めて重要です。また、検査で何をされるかわからないままでは、患者さんに不安を与えてしまいます。当院では、歯周組織検査の必要性を理解してもらうために、歯周ポケットの仕組みや検査に使う道具などについて事前に説明しています。プロービング時に痛みが強いと考えられる部位については、「今から触るところは少し痛むかもしれません。我慢せずに教えてください」とあらかじめ声をかけて、患者さんの不安を和らげるようにしています。また、検査後には、口腔内写真やエックス線写真とともに検査結果を明確に報告することで、患者さん自身に現状を確認してもらっています。さらに、歯周治療の流れを説明するとともに、患者さんによるセルフケアが良好でなければ炎症を繰り返すこと、患者さんと歯科医院の双方のアプローチによって歯周病の症状が徐々に改善していくことを伝えることで、歯周治療に一緒に取り組みやすくなるようにしています。説明する際は、患者さんに不安を抱かせない言葉を使うようにつねに配慮しています。 今回の患者さんにおける初診時の検査結果を示します(図1、2、次ページ図3、4)。PCR32%と、口腔衛生状態は比較的良好でした。主訴である2遠心や6遠心、6の歯肉には発赤、腫脹が強く認められ、排膿も見られました。歯周病による歯の欠損と骨吸収の度合いから、歯科医師により限局型慢性歯周炎ステーJuly 2022 vol.46初診時 2016年
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