●プラークの病原性を理解しているか●「最小の努力で最大の効果」が得られるような清掃方法を考える●歯、軟組織を傷つけずプラークを落とすのが目標●高齢者ではモチベーションより身体能力が問題になることが多い●1回に15分もかかるようでは続かない●プラークの性状(落ちやすいかどうか)●歯列・咬合●歯肉の炎症状態●ボロボロの道具を使っていないか?●選んだ道具とブラッシング方法で本当に落ちるのかまずは術者磨きで確認●術者磨きで落ちなければ、指導内容に問題ありなぜ歯磨きする必要があるのか理解しているか?道具の選択は口腔内の状態に合っているか?指導した清掃技術は適切か?術者磨きで落ちることを確認したか?患者の身体能力で実施可能か確認したか?継続可能か?47最終的に、患者の身体能力や認知能力で実施困難と判断した場合や、ブラッシングに15分以上かかるプログラムになってしまった場合、「道具の選択」もしくは「適切なテクニック」の段階に戻って再度プランを考え直す必要がある。 September 2022 vol.46 実際のOHIに際して、どのように問題点を抽出していけばよいかをフローチャート(上図)として示しましたので、参考になさってください。 特に、プラークには落ちやすいプラークと落ちにくいプラークがあることに注意してください。砂糖摂取量が多い方や、乾燥ぎみの歯面に付着しているプラークは非常に粘稠な状態になっており、軟毛タイプの歯ブラシや繊細な毛先の歯ブラシでは20回以上ストロークしても落ちないことがあります。また、歯肉の炎症が強い患者さんに、いきなりバス法を指導しても痛くて当てられない場合もあります。さらに、テクニックは正確でも、毛先が完全に開いたボロボロの歯ブラシを使用しているために、プラークが落ちず、軟組織をひっかけて口内炎ばかり作るケースもあります。 目の前の患者さんに対して、なぜ現状の口腔内になったのか、一つひとつ原因を確認していく作業を進め、答えにたどりついて初めてその方に対して効果的な指導が可能になります。そういった考察をせずに「しっかり磨いておいてくださいね」とつい言ってしまう方、ご注意を!一人ひとりの問題点を抽出するOHIのステップ現状の口腔内に至った原因や問題点を確認する
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