歯科衛生士 2022年9月号
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54発して公開しています(P.57参照)。 CRAについて学ぶなかで、臨床医でもあり研究者でもあるSvante Twetman(スヴァンテ・トゥウェットマン)先生(コペンハーゲン大学・名誉教授)が書かれた論文は、「リスクアセスメントはコンセンサスを得られるか?」2「子どもにおけるカリエスリスクアセスメントはどの程度正確か?」3など筆者らが疑問に思っていることがそのままタイトルになっており、惹きつけられるもので、CRASPの開発に至る過程で注目して参考にしてきました。 本稿では、その考え方をもとに、ただ「やっただけ」にならない、CRAを行って歯をう蝕から守ることにつなげるための3つのポイントについて紹介していきます。TOPICこれからのDHに必要なCRA う蝕治療は、従来の切削修復う蝕治療から脱却して新しい『歯を守る う蝕治療』1、いわゆるカリエスマネジメントへとシフトしてきています。カリエスマネジメントでは、カリエスリスクアセスメント(以下、CRA)が必須であり、国内外でいろいろなCRAモデルが考案されています。しかしながら「どのCRAモデルが適切か」についての情報は乏しく、臨床現場では、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。 筆者らが所属する日本ヘルスケア歯科学会では、会の発足以来、CRAについて取り上げて議論を行ってきました。2016年には、CRAについての見解を公開し、それに基づいた新しいCRAモデルとしてCRASP(Caries Risk Assessment Share with Patients)を開う蝕は早期切削からマネジメントする時代にはじめてみよう! カリエス

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