歯科衛生士 2022年10月号
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57松尾真千子Machiko MATSUOIllustration:キタハラケンタ 「患者さんにピッタリの歯ブラシや歯磨剤があるけど、比較的高価な歯科専売品を紹介して買ってもらうのはしり込みしちゃうな……」。 そんな風に思う読者の方は少なくないと思います。一方、当院では、現在待合室に販売品陳列棚を設け、扱っている製品をすべて視覚化しています。メインテナンスやう蝕予防、歯周治療を実践する歯科衛生士は、来院時の患者さんの主訴や口腔内にあわせて治療の一環として販売品を提案・紹介しています。 「売り上げを上げるために!」という意識からというよりも、把握しづらい市販品ではなく当院歯科専売品を購入してもらうことによって、実際にその場で説明・指導ができる、セルフケアの管理や口腔内の変化が把握しやすくなるというメリットのためです。また、歯科専売品の使用による症状の軽減がスムーズな治療につながっていることも実感しています。 コロナ禍による来院患者数の変動はありますが、ここ数ヵ月間の月平均で、歯ブラシは約160~190本、歯磨剤は70~90個程度、とくに力をいれているフッ化物洗口は液製剤で70~100個程度、顆粒は160~200本近くの販売実績があります(1日約20~30人来院。現在はコロナ禍で減少)。さらなる販売実績を持つ医院もあるかと思いますが、予防製品が多く出ることで「患者さんの口腔内がより良くなるのでは」と歯科医師含め当院スタッフの共通の期待があります。そのためにも、診療室で患者さんと長く接する歯科衛生士と物販のやりとりをする受付との情報共有はとくに重要です。物販を介して「チーム全員で患者さんをみてますよ」というアピールにもなり、信頼の獲得にもつながると筆者は考えます。次ページから具体的にみていきましょう。デンタルフリーまちこクリニック[三重県]院長・歯科医師October 2022 vol.46当院ではカテゴリーで分けると、大人用子ども用合わせ歯ブラシ9種類、歯間ブラシやフロス等歯間ケア製品各種、歯磨剤は11種類(味の違い含む)、フッ化物洗口剤は液製剤2種類と顆粒1種類、食品に関してはグミやチョコを含む各種キシリトール製品やガム製品を揃えている。TOPIC物販は“手段”として使うことができる!チームで取り組む物販活用法

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