November 2022 vol.4625Illustration:浅水シマえ、患者さんを大切に思っていることを示すように心がけるようになってからは、いまでは20年近いお付き合いの患者さんもいらっしゃいます。大切なのは、いかに正確に詳細に伝えるかではなく、いかにして患者さんの心を動かすか。出会い(初診)、歯周精密検査とその結果説明、ブラッシング指導(OHI)、メインテナンス(SPT)、各場面において患者さんの心を動かせるコミュニケーションのポイントがあります。本稿では、各場面で筆者が日頃心がけていることを紹介させていただきます。谷垣裕美子 Yumiko TANIGAKIオパールデンタルクリニック[兵庫県]安福歯科医院[兵庫県]スタディグループdhcoax 代表歯科衛生士特集はじめに 来院される患者さんの主訴はさまざまですが、専門家であれば、う蝕や歯周炎の行く末は容易に想像でき、放置すればQOLを著しく低下させることは十分知っています。 患者さんの口腔の未来を案じる歯科衛生士は、なんとか患者さんの置かれている状況に気づかせたい、“健口”に導いてあげたい気持ちで、患者さんに歯周精密検査の結果を伝え、動機付けを行い、ブラッシング指導を日々行っています。しかし現実は多くの場面で、「プラークコントロールが一向に改善しない」「歯周治療を中断される」「ふ~っ、動機付けって本当に難しい……」と、壁に当たっていないでしょうか? 筆者自身も不十分な準備であったがために、場当たり的なトークをしてしまい、いつの間にかフェードアウトされてしまうことも多々ありました。ですが、筆者なりの準備を持って迎
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