歯科衛生士 2023年1月号
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c乳歯の萌出順序が異常b切歯しか萌出していない (複数回答) a 一般的には1歳半くらいの   萌出状態相談する人がいない、もしくは、わからない1.0相談する場所がない、もしくは、わからない0.7作るのが負担、大変もぐもぐ、かみかみが少ない(丸のみしている)食べる量が少ない食べものの種類が偏っている食べさせるのが負担、大変乳汁(母乳や人工乳)と離乳食のバランスがわからない食べるのをいやがる乳汁(母乳や人工乳)をよく飲み、離乳食がなかなか進まない食べる量が多い作り方がわからない開始の時期がわからない食べものをいつまでも口にためているその他特にない26%離乳食について困った74%4.6202530(%)3533.5January 2023 vol.47同じ1歳4ヵ月児でも萌出状態はさまざま。 そのためか、離乳食について困ったことがある保護者は7割以上に及びます3。困っていることの内容をみると、歯科の視点からアプローチすべきところがたくさんあることがわかります。ここは私たち歯科医療従事者、特に歯科衛生士が積極的に取り組むところだと思います。なぜなら、健康な子どものようす(全身を含め、口腔内の状態)を定期的に診られる、そのような立場の職業は歯科以外なかなかないからです。 これからは、私たちが中心となって子どもの成長に取り組んでいく時代だと思います。かかわることで子どもたちの未来を明るくできる! 私たちは、そういうすばらしい立場にあるのです。*1 2019年8月に当院で3歳以下の子どもを持つ保護者300名を対象に、何を参考に離乳食を進めたかアンケートをとった。多かった順に、①月齢(95.7%)、②育児本(83.9%)、③インターネット(72.4%)、④ママ友(58.1%)、⑤歯の生え方(32.4%)であった。育児本、ネット、ママ友の情報もほとんどが月齢をもとにした考え方である。*2 日本小児歯科学会2018年報告によると、乳歯萌出時期は、30年前と比較して個人差が開いている(1SDの幅が大きくなっている)。乳切歯部で最大約1年、乳臼歯部で最大約2年の個人差がある。萌出順序にも個人差が出てきており、第二乳臼歯がなかなか生えない傾向があった。1015056515.912.65.55.33.53.0離乳食について困ったこと2015年、厚生労働省が0歳から2歳の子どもの保護者1,240名に対し行った調査の結果。赤色は歯科で対応可能なものを表す。(文献3を一部改変)17.817.128.921.821.2成長に差があっても、同じ月齢なら同じ離乳食? 一般のお母さんたちは、多くが月齢にしたがって離乳食を進めています*1。離乳食を取り上げた育児雑誌やネットの情報も、月齢ごとに離乳食の進め方を提示しているものばかりです。 一方、最新の調査によると、30年前と比較して乳歯の萌出時期は個人差が大きくなっていることがわかりました1 *2。写真はどれも1歳4ヵ月児の口腔内です。これを見て、はたして月齢のみで離乳食を進めてもいいのかという疑問がわくと思います。この個人差の拡大の理由としては、低出生体重児の増加2が無視できない問題として挙げられます。低出生体重児の増加は、乳幼児の成長の個人差を広げる大きな要素のひとつとなっています。保護者もこれまでの離乳食に問題を感じている

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