第2回57March 2023 vol.47コロナ禍で矯正治療のニーズが高まる昨今、特に注目を集めるアライナー矯正。他の矯正方法とは違った特徴や適応(限界)、注意点などをコンパクトに解説します。第1回矯正治療の方法を比べてみよう第2回アライナー矯正の特徴を深堀り!第3回アライナー矯正の患者さんで よく一般の方から「アライナーは歯型を採って、後は自分で毎日使えばいいんですよね。ブラケットを付けてワイヤーを交換して進める矯正治療より歯医者の技術が問われることはなさそうだから、どこで作ってもらっても同じではないのですか?」と聞かれることがあります。また、同時に「だったら、少しでも安くアライナーを提供している医院のほうがお得ですよね」と言われることもあります。一般の方からすると、同じ治療結果が出せるのであれば、手近で、少しでも安くアライナー矯正を行っている医院を それでは、このような治療結果の違いをもたらす要因は何でしょうか? 後述のとおり(P.61参照)、アライナーの装着時間を守らないなどの患者さん側の要因もありますが、もっとも重要な要因として挙げられるのは「診断・治療計画の立案」でしょう。 矯正治療では、患者さんの顎顔面の現状をセファロ・パノラマエックス線写真、顔面・口腔内写真、歯型模型な選ぼうとするのは、消費行動として至極当然のことでしょう。 しかし、アライナー矯正は、アライナーを作ってもらい、後はちゃんと使っていれば治る、という単純なものではありません。A先生とB先生が同じような不正咬合を有する患者さんを治療したとしても、A先生の場合は治療目標どおり、その患者さんにとって望ましい治療結果を出すことができる一方で、B先生の場合は目標とはかけ離れた結果に終わることも十分あり得ます。どで把握します(次ページ参照)。これらの資料をもとに、患者さんにとって望ましい咬合や口元の状態をつくり出すために、抜歯が必要かなどの判断を行い、適した治療メカニクスと術式を、可能な場合は患者さんの希望もふまえて治療計画を立てます。そして、歯科医師と歯科衛生士、患者さんで治療目標を一緒に確認したうえで、治療を開始します。チェックすべきことIllustration:コージー・トマト加治彰彦Akihiko KAJI半蔵門ファミリア矯正歯科[東京都]院長・歯科医師今のうちにチェック!アライナー矯正に詳しくなろうどの歯医者が治療しても結果は同じなのか?診断・治療計画の立案を行い、患者さんと目標を共有するTOPICアライナー矯正はどのように治療が進むのか?アライナー矯正の特徴を深堀り!
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