●39歳●2004年ベル歯科衛生専門学校 (現朝日医療大学校)卒業●臨床経験年数:19年目●勤務形態:非常勤●所属学会・スタディグループ:日本臨床歯周病学会(中国四国支部)、㈱DH Pro.School、苺の会、TDSC●医院紹介:岡山県倉敷市に位置し、日々研鑽を重ね、適切・誠実・良心的な本物の医療を思いやりをもって提供し、地域社会に貢献できるよう医院全体で取り組んでいる。 2014年、「歯が欠けた」と4年ぶりに受診。実は、患者さんが欠けたと思って[キーワード] SPT、歯周治療年齢、性別主訴歯が欠けた困ったときのみの来院。継続的に来院はしたくない。痛いところのみの処置希望。レントゲンなどの費用がかかる検査はやりたくない。歯科的既往歴今回症例を紹介してくれるのは……75March 2023 vol.4751歳(2007年初診時)、女性特記事項なし夫・20代で独身の娘2人と同居職業事務職 歯周治療において良好な結果を得るためには、患者さんとの信頼関係の構築とモチベーションの向上およびプラークコントロールの確立が非常に重要です。まず、患者さんが現状を理解し、改善したいと思うようにならなければ歯周治療は成功しません。ですから、私たち歯科衛生士は患者さんが理解しやすいように現状について説明を行い、患者さんの訴えや話をよく聞くように心がけなければなりません。また、患者さん自身が「治したい・良くなりたい」と思えるように行動変容を促し、タイミングを見計らって適切な情報提供を行い、時には寄り添いながら、自立ができるようサポートしていく必要もあります。 今回、「患者さんとの信頼関係の構築」をつねに意識して取り組んだことで、患者さんの気持ちに変化が表れた結果、行動変容が起き、定期的なSPTにつながった症例を報告します。 患者さんは、初診時2007年に右上の自発痛により当院を受診しました。このときは「痛いところだけ治療してほしい。クリーニング、レントゲンなど費用がかかることはやりたくない」と強く主張されていました。その後も、2008年に6、2009年に678の自発痛を訴え受診しましたが、主張は変わらず、患者さんの希望どおり、う蝕処置のみ行いました。その後も来院されるたびに継続受診を提案しましたが、受け入れてもらえない状況でした。初診時の患者の基本情報全身的既往歴家族構成定期的なSPTにつなげる─Chihiro Takahara山脇歯科医院[岡山県]歯科衛生士症例をシェアして、ステップアップ!髙原千尋さんはじめに ─信頼関係を構築し、 歯周基本検査の重要性を説明し、同意が得られた主訴の治療のみを希望する患者さんCase51信頼関係の構築により行動変容と定期的なSPTにつながった症例
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