歯科衛生士 2023年6月号
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&文3演者論20232Illustration:高村あゆみ、飛田 敏塚崎雅之Masayuki TSUKASAKI東京大学大学院医学系研究科骨免疫学寄付講座特任助教医学博士・歯科医師井上 和Kazu INOUEぶっちゃけK’s seminar主宰歯科衛生士歯周炎は顎の骨がなくなる一大事。井上 和 ぶっちゃけK’s seminar主宰 歯科衛生士 私はよく歯周炎の患者さんに言います。「あなたは歯周炎です。歯周炎というのは顎の骨がなくなる病気です」。多くの患者さんはビックリします。「歯周病なんて、歳を取ればみんななる病気だと思ってた」「そりゃ、しまいには歯がグラグラして抜けちゃうことはCMなんかでもよく見て知っている。でも、歯が抜けるのは、顎の骨がなくなる病気だから!?」「しかも、自分はその病気にかかってる!?」「ええっ、どうしたらいいですか!?」 今まで「なかなか忙しくって歯間ブラシとかできないんだよねぇ~」なんてニョロニョロ言い逃れしていた患者さんが、「歯周炎=顎の骨がなくなる病気」だと知った途端に本気で磨き方を聞いてくることも多い。そう、歯周病の何が大変かって、骨がなくなるからでしょ。歯肉炎はプラークコントロールが良くなることで改善し、歯肉が元通りになりますが、歯周炎でなくなった骨が元通りに戻ることはそうありません。骨がなくなるのが大問題。私たちは歯周病の専門家であるはず。それなら、歯槽骨の専門家であるべき。でも、意外と知らない骨のこと。骨を知ると、歯周組織が、そして歯周病がもっとはっきり見えてきます。さあ、コツコツ始めましょう。特集1細胞たちの会話が、私たちの 歯槽骨が作られる 破壊

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