歯科衛生士 2023年9月号
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●線維筋痛症●慢性疲労症候群●化学物質過敏症● ヒステリー球 症候群●自律神経失調症●過敏性腸症候群●更年期障害●月経前症候群●過換気症候群12医療面接時に心がけるべきことを、実際に使用している資料を基に解説します。1)主訴 「今日はどうされましたか?」から始まり、患者さんが今回来院した理由、解決してほしい症状が何なのかを把握します。訴えがたくさんある場合でも、患者さんと話し合って解決してほしい優先順位をつけます。2)既往歴 今までにかかったことのある病気について尋ねます。通院歴を聞いたり、現在飲んでいる薬を聞いたりすることでいろいろな病気の存在がわかることもあります。精神科などへの通院歴については患者さんが話したがらないことも多いですが、服薬中の薬から類推することが可能です。お薬手帳などを持っていることも多いのでチェックしましょう。また、すでに診断がついている病気のなかには医師が精神的な問題を疑っているケースもあります。対応に注意すべき場合もありますので、把握しておくことも大切です(表6)。56表6 医師が心身医学的背景の関与を疑っている疾患1すでに診断がついている患者の病気では、医師が心身医学的背景の関与を疑っている、機能性身体症候群(FSS:Functional Somatic Syndromes)*である可能性がわかる場合もある。*機能性身体症候群:患者が訴える症状、苦悩、障害の程度が組織障害の程度に比べて大きく、医学的に説明がつかない疾患。 当院では、顎関節症が疑われる患者さんが来院した場合、最初に歯科衛生士による医療面接を行います。医療面接の主な目的は以下に述べる3つです。 顎関節症の要因には日常生活の行動が関係していたり、ストレスなどで症状が悪化したりすることが知られています。患者さんは症状に対して不安や心配に思っていることも多く、なかには症状が改善しないために複数の医療機関を受診して、医療者に不信感をもっている方も存在します。このような患者さんとのラポールを構築し、感情面にも対応するためには、歯科医師だけではなく、歯科衛生士などのデンタルスタッフの役割が大切です。歯科衛生士が率先して話しかけることで、患者さんも話をしやすくなります。ラポールの構築情報収集医療面接の目的なにをどう聞く? 医療面接の勘所

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