のケア特集2図1 舌清掃を行っている者の割合、性・年齢階級別(%)40353025201510501~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~December 2023 vol.47男女1(歳)(文献1より引用改変)Illustration:さかちさと、飛田 敏 近年、日本人の半数が、歯ブラシを用いたブラッシングに加えて歯間部清掃や舌清掃を行っています。平成28年歯科疾患実態調査結果によると、舌清掃を行っている人は全体で2割程度おり、男女別にみると、ほぼすべての年代で女性に多く、年齢別にみると、20代後半から40代前半では約3割が舌清掃を行っています (図1)。超高齢社会を迎え、口腔ケアの対象は歯と歯肉を含む口腔全体であることが広く認識されてきており、今後は、舌のケアについて患者さんに質問される機会も多くなると思われます。本特集では、患者さんの質問に自信をもって答えられるように、舌のケアの意義や実施方法、指導のコツなどについて述べたいと思います。 マスクを着用すると、口の動きが制限され、口を動かす機会が減ります。これにより、唾液分泌の減少が起こる可能性があります。さらに、水分をとる回数が減る、呼吸が浅くなり口呼吸になるなど、口腔内が乾燥しやすく自浄作用が低下すると考えられます。そのため、マスクの着用を長時間続けると、プラークや舌苔が口腔内に付谷口奈央Nao TANIGUCHI福岡歯科大学口腔保健学講座口腔健康科学分野教授・歯科医師約3割が舌清掃を行っている着しやすくなり、さまざまな口腔内トラブルの原因となります。海外の横断研究2では、コロナ禍における口臭の自覚には、マスクの着用時間や口の乾き、舌苔の有無が有意に関係していたと報告されています。47マスク生活で舌苔が付きやすくなる?はじめにマスク生活が続いた今こそおさらい説明できる?
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