舌表面の構造を図2に示します。舌は分界溝を境にして前2/3の舌体、後ろ1/3の舌根に分けられます。舌体には4種類の舌乳頭(糸し状じょう乳にゅう頭とう、茸じ状じょう乳にゅう頭とう、有ゆう郭かく乳にゅう頭とう、葉よう状じょう乳にゅう頭とう)が存在します。 糸状乳頭は、0.5~2.5mmの長さの尖った糸状の物で、乳頭尖部が著明に角化しており、臨床的には白く見えます。4種類の舌乳頭のうち、角化するのは糸状乳頭のみで、舌体の全域に存在し、舌表面をザラザラにして、食物の保持や咀嚼、嚥下に役立っています。ただし、糸状乳頭に味蕾は存在しないので、味覚機能はありません。 茸状乳頭は舌縁から舌尖にかけて多く存在し、糸状乳頭よりも短い球形で、臨床的には赤い点として認められます。 有郭乳頭は舌乳頭のなかでもっとも大きく、分界溝の前に10個前後並んでいます。葉状乳頭は、舌体の側面に左右4~5本ずつみられるヒダです。茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭には、味蕾が存在します。図2 舌表面の構造舌根分界溝有郭乳頭舌体舌尖舌扁桃葉状乳頭糸状乳頭茸状乳頭48舌乳頭と呼ばれる構造が4種類あります。舌の表面にはそれぞれを詳しく見ていきましょう。舌の表面ってどうなっているのですか?
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