62スウェーデンにいるとどこにいても出会うシナモンロール、実はスウェーデン発祥の菓子パンです。私が勉強したスウェーデン語の教科書1ページ目の1語目には、挨拶よりも先にシナモンロールの単語が載っていました。 日本の歯科衛生士学校在学中に、海外の歯科衛生士の地位の高さや診療業務の違いを知り、海外の歯科医療に憧れを抱いていました。歯科衛生士になって働き始めてからは、2013年に7ヵ月間行ったアメリカでの語学留学経験を活かし、英語で外国人の患者さんを担当することが多くありました。そのたびに、「いつか海外の歯科医院で働いてみたい」と漠然と思っていました。 そんな折、2019年にデンマークのコペンハーゲンにて、歯科医師である父が外傷歯の講演をする機会があったため、私は父に同行し初めて北欧へ行きました。学会には、世界中の、もちろん隣国スウェーデンからもたくさんの先生方が参加していました。その会場となるコペンハーゲン市内は、スウェーデン第三の都市であるマルメから電車で40分ほどの近さです。スウェーデンは歯科の予防先進国として、日本のメディアでも取り上げられるほど有名ですよね。その講演会の後、参加されていたスウェーデンの先生方と食事をしながら会話をするなかで、北欧の歯科医療に興味が湧きました。しかも、その先生方に「ぜひ挑戦してみて」と背中を押してもらえたので、憧れが強くなったのを覚えています。この時、北欧で歯科医療の勉強をするという夢へ向かって、一歩踏み出しました。 しかし、その翌年の2020年、COVID-19が流行しました。「明日は我が身!」と必死に感染対策を行い、海外渡航禁止も続くなか、さらに月日が経ち、2021年になりました。その時すでに年齢が30歳ということもあり、新しい挑戦に対して消極的になっていましたが、後悔をしないように、ワーホリを利用してスウェーデンへ行く決心をしました。 スウェーデンと日本がワーホリの協定を結んだのは2020年からで、スウェーデンにて1年間の労働が許されています。スウェーデンの第一言語はスウェーデン語ですが、国民のほとんどは英語が堪能であり、これもスウェーデンを渡航先に選んだ大きな理由です。ワーホリの申請は30歳11ヵ月(つまり31歳未満)まで可能で、ビザ承諾時の年齢は関係ありません。その時ちょうど30歳11ヵ月だった私はギリギリで条件をクリアし、長年の密かな願いを叶えることができました。スウェーデンの首都ストックホルムの観光地、ガムラスタン。住んでいた最南端の都市トレレボリからは電車で6時間弱なので飛行機で日帰り観光!首都ストックホルム中央駅の地下鉄。とても綺麗な巨大壁面アートは多くの人が訪れる一大観光スポット!きっかけは父に同行した北欧旅行ワーホリの条件をギリギリでクリアワーホリに行くことを決心!
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