歯科衛生士 2024年2月号
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 私たちは“医療従事者”です。失敗が許されないという緊張感や責任もありますから、日常的にストレスフルな仕事であるともいえるでしょう。歯や口腔の健康を通じて、患者さんの人生にかかわっているため、高い倫理観も求められます。 また、相手は「人」ですので、われわれがベストを尽くしても、結果が思ったようにならないことも当然あります。こちら側になにも落ち度がなくても、叱責されるようなこともあるでしょう。これらも大きなストレスの元になります。「応召義務」(歯科医師法19条)*もありますから、患者さんを選ぶことも難しいのです。 これらに加えて、つねに研鑽を重ねていかなければ「置いていかれてしまう」「ついていけなくなってしまうのではないか」という不安もあるのではないでしょうか。 「感情労働」とは、「頭脳労働」「肉体労働」に並ぶ労働カテゴリーのひとつです。「感情の抑制や鈍麻、緊張、忍耐などが絶対的に必要」と定義されています1。医療・保健・社会福祉・介護・教育やCA、コールセンタースタッフなどのサービス業全般がこれにあたります。特徴としては、「つねに親切である・つねに優しい」ということが当然と思われているところにあります。そのため、相手が望んでいるようなレベルでの「つねに親切である・つねに優しい」が叶わない56*歯科医師法第4章第19条第1項:診療に従事する歯科医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。DHという仕事の特徴医療従事者である感情労働 1私たちの特徴を知ろう

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