第7回Illustration:すぎやまえみこ北折 一Hajime KITAORI健康演出アドバイザー元NHK「ためしてガッテン」演出担当デスク1987年NHKに入局。1995年「ためしてガッテン」立ち上げに参加。以来18年間同番組の制作を続ける。2013年にNHKを退職後、健康演出アドバイザーとして主に健康教育分野で「人びとのよりよい生活のお手伝い」を目指し、講演・執筆活動を行っている。小社刊『歯科衛生士ブックレット Vol.1 説明のプロに聞く! メインテナンスの重要性をわかってもらうには!?』は、Amazon部門別で3ヵ月第1位を記録。February 2024 vol.48患者さんや地域の人びと向けに話す際に、めっちゃ便利なパワーポイント(パワポ)。「伝えたい、わかってもらいたい」思いを込めてがんばって作ると、逆に伝わりにくくなることがあります。その典型例ともいえる作品を、プロの演出家がメッタ斬り! このシリーズもいよいよ大詰め、今月はどんな斬り方? そして、どう変わる!? いよいよ「静岡県・さおりさん」の作品メッタ斬りシリーズも最終回……かな? 前回は情報の詰め込み過ぎについて、作品の前半部分を題材に語りました。その際お伝えしたのが「3倍希釈法」。今回は作品の後半部分について、前回の真逆の「めっちゃ凝縮法」で斬らせていただきましょーかね。これ、皆さんがパワポ作品の全体の流れを考え直すにあたって、かなり使える方法論です。実はNHKで番組を作る際も、「凝縮法」という名こそ付けてませんでしたが、いつもこんなやり方で構成を練り直していました。とくに、一度出来上がったものがイマイチだった時にストーリーの阻害要因となってるものを見つけて排除するのに、このうえなく有効です。知っておいて損はないどころか、見よう見まねでいいんでとにかく今後はいつでも実践で使っていただきたい、「究極の基本技」。 この作品は高齢者施設にお勤めの熱血歯科衛生士・静岡のさおりさんが、本連載を読み始めて「こりゃヤバイ」とばかりに作り直してくださったもの。その熱血ぶりが災いして詰め込み過ぎになってたのが、全30枚のスライド前半の課題でした。後半には、さらに別な問題も加わっています。気持ちを込め過ぎたからこその問題が。 せっかくの機会、皆さんご自身の見る目を養っていただくためにも、とにかく一度そのまんま見ていただくのがいいかな。「本人改作版・オリジナルスライド(後半部分)」を開いて、最後までスライドショーでチェックしてみてください(DLは次ページから)。いきなり「3倍希釈」したくなった人は絶賛上達中の人ですがそれはさておき、後半に顕著に現れてる課題、感じていただけますでしょーか。問題点、わかったかな?次のページへ!75※本連載で示すスライドはすべて掲載許可をいただいています。“もっと伝わる”「練る子は育つ」 その3 逆に「凝縮法」……!?気持ちの問題、とも言えますね。
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