Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No.1
6/7

Journal of Aligner Orthodontics | 2022 vol.2 issue 1日本版オリジナルページ診断装置装着アタッチメント設置遠隔での経過観察追加アライナー用の資料採得追加アライナー装着遠隔での経過観察動的治療終了1か月1か月1か月1か月9か月~~2か月6か月初診精密検査保定経過12019.8経過22019.9.20経過32019.10.28治療開始から経過42020.7.26治療開始から経過52020.9.27治療開始から経過62021.3.28治療開始から図9 治療経過。精密検査後、診断と治療計画の説明をオンラインによる診察にて行い患者の同意を得た。1、2ステージ目のアライナーと遠隔管理システムの撮影装置が患者に届く。オンラインでアライナー装着と撮影装置操作の説明を行い、治療を開始した。抜歯は1~2ステージの間に行った。3ステージ目で来院してもらい、アタッチメントとフック(ボタン)を設置した。アライナーの交換頻度は5日に1ステージとし、次回の診療予約は55ステージ終了時となる9か月後に設定した。顎間ゴム使用のため下顎右側第一大臼歯にボタンカット、上顎右側犬歯にプレシジョンカットを付与し、Ⅱ級顎間ゴム(3/16" 6.5オンス)を常時使用した。その間の経過観察は患者が撮影した口腔内写真にて5日ごとにオンライン上で行った。第1フェーズ終了。上顎右側臼歯部の遠心移動は目標に達していなかった。しかし着実に移動が進んでいることを確認し、引き続き上顎右側の順次遠心移動を行っていくこととした。左側は抜歯スペースの閉鎖が順調に進みAngleⅠ級をキープしている。しかし下顎左側犬歯は計画した移動量が多く(図10)、歯根が近心位となっているのを認めたため(92ページ図11)、追加アライナーで歯軸角のリカバリーを計画した。追加アライナーのアタッチメントとフックの設置を対面診療で行った。アライナーの交換頻度は5日に1ステージとし、次回の診療予約は37ステージ終了時の6か月後に設定した(93ページ図13、14)。下顎左側犬歯の歯軸角の改善と上顎右側臼歯部の順次遠心移動を行い、早期接触部位を調整し、全体に均等に咬合接触が得られるようゴールを設定した。Ⅱ級顎間ゴム装着のため、プレシジョンカットを上顎右側犬歯、ボタンカットを下顎右側第一・第二大臼歯頬側に付与し、Ⅱ級顎間ゴムの強さを調整する計画とした。まずは下顎右側第二大臼歯から上顎右側犬歯にⅡ級顎間ゴム(3/16" 6.5オンス)を装着した。遠心移動量の軽減と咬合接触の調整のため上顎第一大臼歯、第二小臼歯および第一小臼歯の間にそれぞれ0.5mmずつIPRを実施した。ステージングでは、上顎右側臼歯以外の歯はすべて同時移動とした。第2フェーズ終了。全顎的に緊密な咬合が得られたため、動的治療終了とした(94ページ図15~18)。アタッチメントとボタン、フックを除去、最終アライナーを使用し保定を開始した。下顎右側第二大臼歯は動的治療が終了しても半埋伏していた。アライナーで歯を覆う面積が小さいためリンガルボタンと顎間ゴムで移動を試みたが、想定していた動きが見られなかったため、下顎右側第二大臼歯を覆っていた遠心の歯槽骨を削合し自然萌出を待つこととした。901か月後10か月後12か月後18か月後オンライン対面診察

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る