Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 4キーワード 3Dプリント、バイオメカニクス、デジタル、歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)的矯正治療などの適応が著しく拡大した2,7。しかし、安定性の低下や歯根の損傷などさまざまな合併症が見られるだけでなく8-10、合併症を防ぐために行った元の位置とは異なる部位へのTADの埋入と牽引が、本来の目的と異なる方向へ歯を移動させ11、治療の複雑化や治療期間の延長を起こすことがある(図1、次ページ図2)。こうしたことから、TADを併用した矯正歯科治療を効率的に行うためには、歯の移動のバイオメカニクスに合致した部位へ、TADを安全に埋入する必要がある。 アライナー型矯正装置Invisalign(Align Technology社、米国・カリフォルニア州)は、矯正歯科臨床にお図1 顎骨の異なる高さにTADを埋入すると、咬合面に傾斜が発生することがある。13尾島賢治 矯正歯科治療の固定源として、歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)が広く用いられるようになっている。しかし、安定性の低下や歯根の損傷などの合併症が見られ、実際の歯の移動方向が目的とする歯の移動と異なる場合には矯正歯科治療がより複雑化する。同様に、アライナー型矯正装置でもTADの併用による治療結果の向上が報告されるとともに、こうした治療がより一般的なものとなってきている。本稿では、バイオメカニクスと安全なTADの埋入を考慮したTAD併用のアライナー矯正治療におけるアプローチ(BOOTアプローチ)について紹介する。 近年、歯科矯正用アンカースクリュー(以下TAD)は、矯正歯科治療における固定源としてその有用性が報告されている1-4。さまざまな形状のTADが普及しており5,6、矯正歯科治療における歯の移動範囲や非外科Kenji Ojima, DDS Director, Hongo Sakura Orthodontic Clinic, Tokyo, JapanCorrespondence to: E-Mail: kenjiojima@jaligner.com尾島賢治メソッドプレゼンテーション緒言アライナー矯正治療のための新しいアプローチ:バイオメカニクスを考慮したTAD併用の矯正歯科治療
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