Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No4
2/9

Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 4 大臼歯の遠心移動は、非抜歯で上下顎前突を治療するうえで非常に有効なメカニクスである。圧下と挺出により咬合平面を修正し、前後的位置と側貌を変化させることができる。これは適切なバイオメカニクスを併用すれば、現在最も新しい矯正歯科テクニックによって実現が可能となった。 本報では、歯科矯正用アンカースクリュー(以下TAD)を用いた上下顎の遠心移動によって下顎前歯部の叢生と上下顎前突を改善し、咬合平面の前方回転、オトガイ部の改善を行ったⅠ級不正咬合患者の治療について報告する。Invisalign(Align Technology社、米国・カリフォルニア州)による矯正歯科治療に加え、上顎側切歯にラミネートベニアを用いた修復治療を行ったことにより、審美的・機能的な回復を達成することができた。 現在、矯正歯科治療は主に成人患者に対して行われており1、彼らの要求は小児とは異なる。その要求のひとつに審美性が挙げられる。これに対し、舌側矯正治療2,3や目立ちにくいタイプの矯正装置など4-6、さまざまな審美的オプションが用意されている。 そしてアライナー型矯正装置には、Clear Aligner(英国・エセックス)、Alineadent(スペイン・マラガ)、Orthocaps(ドイツ・ハム)といった数多くのシステムが存在する。本報では、矯正歯科医に最も広く使用され、最も科学的根拠があるとされるInvisalignシステムに焦点を当てる7,8。 Invisalign9は、1997年に米国・カリフォルニア州でZia ChishtiとKelsey Wirthによって開発されたシステムで、一連のアライナーを作成する3Dコンピュータープログラム(ClinCheck、Align Technology社)がベースとなっている10。このシステムは、他のシステムと大きく異なる特徴が2点挙げられる。まず、プロMaria Luisa Vidal Bernárdez23Maria Luisa Vidal Bernárdez, Paula Aceytuno Poch, Beatriz Solano Mendoza翻訳:佐本 博[東京都・青山アール矯正歯科]、山田和廣[大阪府・山田歯科・矯正歯科]キーワード 大臼歯遠心移動、Invisalign、歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)Maria Luisa Vidal Bernárdez, MSD Master of Orthodontics and Dentofacial Orthopaedics, University of Seville, Seville, SpainPaula Aceytuno Poch, MSD Master of Orthodontics and Dentofacial Orthopaedics, University of Seville, Seville, SpainBeatriz Solano Mendoza, DDSc, MSD Professor of the Master of Orthodontics and Dentofacial Orthopaedics, University of Seville, Seville, Spain; Master of Orthodontics and Dentofacial Orthopaedics, University of Seville, SpainCorrespondence to: Dr Maria Luisa Vidal Bernárdez, University of Seville, Calle Avicena s/n 41009 Seville, Spain. Email: mariavidal3@gmail.com症例報告諸言ガミースマイルと上下顎前突改善のための治療法

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る