Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 4 デジタル技術の発展は、矯正歯科治療における診断、治療、治療結果の分析に貢献している。本報では、アライナー矯正治療を希望して来院した、前突した側貌を有する女性患者について述べる。患者は、上顎の前突と下顎劣成長をともなう骨格性Ⅱ級であった。上顎両側第一小臼歯抜歯と下顎前歯の隣接面削合(IPR)を行い、改善を図った。オーバージェットを改善するために、4切歯を後方移動した。また、オーバーバイトを改善するために、下顎前歯部の圧下を行った。28か月にわたる矯正歯科治療により、コンベックスタイプの側貌 ➡104ページ参照 が改善され、正常なオーバージェットとオーバーバイトが達成された。 アライナーシステムは、コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造(CAD/CAM)技術と歯科技工技術を組み合わせて、治療の予測と、約0.25~0.3mmという小さな単位で歯の移動ができる一連の可撤式装置を製造するものである1-4。Invisalign(Align Technology社、米国・カリフォルニア州)は市場に参入して以来、急速に審美性を重視する患者に好まれる矯正装置のひとつとなった。Invisalignは従来の固定式装置と比較して口腔衛生5、歯周組織の健康6-8、食事や咀嚼時の満足度9、審美性の向上などの面で多くのメリットを有している10。過蓋咬合治療11、開咬治療12,13、Ⅱ級不正咬合治療14,15、修復治療前の矯正歯科治療16,17、術前矯正および複雑な顎関節治療18,19などで、アライナーシステムを使用した矯正歯科治療が文献になっている。本システムは広く用いられているにもかかわらず、その有効性が比較的低いと報告する研究20、アライナー型矯正装置では上顎切歯のトルク、小臼歯および犬歯Panjun Pu571 松本歯科大学大学院硬組織疾患制御再建学講座教授2 松本歯科大学病院総合診断科・総合診療科講師3 松本歯科大学病院矯正歯科診療准教授 / 歯科・矯正歯科 GOOD SMILE4 松本歯科大学歯学部理工学講座准教授Panjun Pu, Yanan Ren, Yingli Feng, Haixiang Ma, Bingguo Kou, Jianbo Gao, Zexu Gu翻訳:岡藤範正1、髙谷達夫2、荒井 敦3、横井由紀子4[松本歯科大学]キーワード アライナー型矯正装置、デジタルモデルの重ね合わせ、デジタル技術、骨格性Ⅱ級Panjun Pu, MDS Yanan Ren, MDS Yingli Feng, MDS Haixiang Ma, MDS Bingguo Kou, MDS All: Hospital of Stomatology, Air Force Military Medical University, Xi’an, ChinaJianbo Gao, MDS The First Affiliated Hospital, Air Force Military Medical University, Xi’an, ChinaZexu Gu, DDS Assistant Professor, Hospital of Stomatology Air Force, Military Medical University, Xi’an, ChinaCorrespondence to: Zexu Gu, Hospital of Stomatology, Air Force Military Medical University, NO.145 West Changle Road,Xi’an, China. E-mail: zeki99@163.com症例報告緒言骨格性Ⅱ級症例に対するアライナー矯正治療におけるデジタル三次元分析
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