Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No4
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69Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 4評者:Rainer-Reginald Miethke矯正歯科専門医。Journal of Aligner Orthodontics誌 Editorial Board。ベルリン自由大学歯科矯正学講座・小児歯科学講座長、フンボルト大学矯正歯科部長、シャリテー‐ベルリン医科大学歯科医学センター評議会副議長、ドイツアライナー矯正歯科学会(DGAO)会長、(以上ドイツ)、ロイヤルデンタルカレッジ歯科矯正学部客員教授(デンマーク)、カタール・ハマドメディカルコーポレーション歯科長などを歴任し、多数の専門誌の編集委員・評論に携わる。世界のアライナー矯正歯科関連論文から、JAOオリジナル版のEditorial Boardが注目する論文を概説するコーナーです。JAO日本版では、症例報告以外のトピックを抜粋し不定期に翻訳・掲載します。評者のウィットに富んだコメントに注目!翻訳:編集部ない。さらにアライナーの内側にプラークが付着してしまうという側面もある。多くのソフトドリンクやスポーツドリンク、流行りのドリンクのように高濃度の酸や短鎖炭水化物を含む飲料を飲むときもアライナーを外さない患者が多いため、こうした状況が悪化する可能性がある。これは、他の研究者(アライナー矯正治療の生みの親の1人であるSheridanを含む)によってすでに説明されており、特に切縁と咬頭頂のエナメル質が影響を受けやすいと述べられている。飲料だけでなく、アライナーを装着したまま食事をし、アライナーの内側に食物が入り込んで害を及ぼすこともある。 こうした行動の理由としては、勤勉さ、または逆の怠慢、羞恥心、アライナーを適切に保管する容器や再装着前に洗浄する設備がないことなどが挙げられる。アライナーが多くのアタッチメントによって歯列に固定されて取り外しが容易でない場合は、さらにこうした行動が起こりやすい。これに加えて患者の口腔衛生Rainer-Reginald MiethkeRainer-R eginald Miethke, Prof. em. Dr. med. dent.Correspondence to: Prof. Rainer-R eginald Miethke, Abteilung für Kieferorthopädie, Orthodontie und Kinderzahnmedizin, CharitéCentrum für Zahn-, Mund- und Kieferheilkunde, Charité – Universitätsmedizin Berlin, Aßmannshauser Str. 46, 14197, Germany E-mail: rainer-r.miethke@charite.deアライナー矯正治療中の口腔衛生状態の悪化がもたらす影響Consequences of poor oral hygiene during clear aligner therapy. Moshiri M, Eckhart JE, McShane P, German DS. J Clin Orthod 2013;47:494–498.緒言について アライナー矯正治療は人気があり、多くの刊行物において熱心に解説がなされているが、そのほとんどは症例報告である。脱灰や明らかなう蝕といったデメリットに関する情報はほぼない。一般的に、アライナー型矯正装置は非常に衛生的だと認識されているが、こうした矯正装置は、最短期間で最適な結果を得るために1日約22時間装着するよう患者に処方されていることから、ある程度の疑いをもつことが適切となる。 アライナーは歯を全体的に覆うため、唾液、舌・口唇・頬の接触による包括的な自然浄化作用が阻害される。また、唾液の緩衝作用や再石灰化作用が起こり得Summaries of Publications 世界のアライナー論文概説 1

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