❸歯と顎のサイズの関係❷上下の顎の垂直関係❶上下の顎の水平関係Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 6 図1 学校歯科健診において用いられる正常咬合・不正咬合の分類監修:岡藤 範正 [松本歯科大学歯学部歯科矯正学講座]不正咬合の3つの構成要素に注意①上下の顎の水平(前後・側方)関係を見る②上下の顎の垂直(上・下)関係を見る③歯と顎のサイズの関係を見る※①②③が重なり合う場合もかなりある上顎前突開 咬正常咬合過蓋咬合下顎前突(切端咬合)◦不正咬合のとらえ方は?叢 生交叉咬合(臼歯部反対咬合)空隙(正中などの離開)[参考文献2を元に作成]写真提供:馬場 清先生(山梨県開業)、𠮷𠮷𠮷𠮷𠮷先生(大𠮷𠮷開業) 厚生労働省が発表した歯科疾患実態調査の結果(12~15歳、16~20歳)によると、調査対象の垂直被蓋(オーバーバイト)が正常値の+1~3mmより大きい、あるいは小さい割合は40.4%、水平被蓋(オーバージェット)が正常値の+1~3mmより大きい、あるいは小さい割合は35.8%であった1。さらに叢生が認められる割合は約26%、空隙が認められるものは約10%であった。この結果から、わが国において正常な歯列を逸脱する割合は非常に多いことが分かる。orthodontic malocclusion diagnosis 学校歯科健康診断においては、歯列・咬合に対する基本的な判定基準について、発達段階に対応した留意点が定められている(図1)2。咬合の健康診断においては正常咬合とともに、不正咬合を①上下の顎の水平(前後・側方)関係/②上下の顎の垂直(上・下)関係/③歯と顎のサイズの関係という3つの構成要素からとらえる必要がある。 これらの不正咬合を診断するにあたり、今日の日常臨床にも用いられている「Angleの不正咬合の分類」は103日本版オリジナルページ 知っておきたい矯正歯科学の基本の「き」 7不正咬合における診断
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