adbecfg右対称に見えるようにした。また、口唇から内側の口腔内(歯肉と歯)にある余分な構造物を除去した。さらに顔貌写真の公開について、モデルを務めた本人から書面によるインフォームドコンセントを得た。 単結晶サファイアセラミックブラケットは、歯に設置するアタッチメントの数や位置の違いで矯正装置の審美性を比較する際の基準としてよく用いられており、審美的なブラケットを比較した研究では、多結晶セラミックブラケットよりも目立ちにくいとされている25。そこで、太さ0.016インチの審美的なワイヤーを通したサファイアブラケット装着時の口腔内を模した可徹式装置を作成した(図1)。 この可徹式装置と、1枚ずつアタッチメントの数と形状が異なる6種類のアライナーを装着した口腔内写真が撮影された。通常アタッチメントは縦2mm、横3mm、奥行1mmの横長の長方形とした。最適アタッチメントは楕円形で、単独あるいは2つのペアを設置した。Filtek Z350コンポジットレジン(3M Unitek社、図2 評価者に示された画像。 a:第一小臼歯と犬歯に通常アタッチメントを設置したアライナー。b:第一小臼歯と犬歯に最適アタッチメントを設置したアライナー。 c:第一小臼歯、犬歯、側切歯に通常アタッチメントを設置したアライナー。d:第一小臼歯、犬歯、側切歯に最適アタッチメントを設置したアライナー。 e:第一小臼歯、犬歯、側切歯、中切歯に通常アタッチメントを設置したアライナー。f:第一小臼歯に通常アタッチメントを設置したアライナー。 g:審美的なワイヤーを通したサファイアブラケット。米国・カリフォルニア州)を用いて、アタッチメントにあたる部分のアライナーと歯面間の空間を充填した。カットした画像をモデルの顔貌に重ね合わせ、合計7枚の評価用画像が作成された(図2)。 装着された歯数をアタッチメントの数として数えた。つまり、最適アタッチメントが2つ設置された犬歯も、アタッチメント数は1つとしてカウントした。 カメラとモデル間の距離は、モデル上の定点に対してカメラをセットすることで標準化した。撮影には一眼レフカメラ(SLR、EOS Rebel T1、キヤノン社、日本・東京)に100mmマクロレンズ(EF100mm、同社)と接写用円形フラッシュ(Macro Ring Lite MR-14EX、同社)を使用した。撮影時の設定はf22、シャッタースピード1/60、フラッシュ5,600K、ISO100とした。 画像は、1名のオペレーターがAdobe Photoshop(version CS5、Adobe社、米国・カリフォルニア州)を用いて処理した。またKeynote(version 6.1、Apple社、米国・カリフォルニア州)で、処理ずみの7枚の17Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2023 vol.3 issue 2アライナー型矯正装置:その審美性の限界とは
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