出口 徹出口 徹 本稿では、筆者の前任校・オハイオ州立大学歯学部矯正歯科学講座における三次元(3D)システムを例として、米国の大学矯正歯科におけるデジタル矯正歯科治療の現状について、「口腔内スキャナー」「3Dプリンタ」 ➡115ページ参照 「診断用ソフトウェア」「CBCTデータの活用」「アライナー矯正治療(治療、教育、新技術、学術的知見)」「バーチャルリアリティー(VR)の応用」の各項に分けて紹介する。出口 徹 DEGUCHI Toru, D.D.S., M.S.D., Ph.D. Department of Rehabilitative and Reconstructive Dentistry (Division of Orthodontics and Prosthodontics) University of Louisville School of Dentistry 501 S Preston St., Loouisville, KY 40202, U.S. 連絡先 E-Mail: toru.deguchi@louisville.eduJournal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2023 vol.3 issue 5キーワード 三次元診断、口腔内スキャナー、3Dプリント、CBCT、インハウスアライナー、バーチャルリアリティー教室では、両方を保有していることが多い(前任校のオハイオ州立大学ではiTero2台、TRIOS2台、現任のルイビル大学ではiTero5台、TRIOS1台を所有している)。主にiTeroはInvisalignを用いたアライナー矯正治療では必ず使うため、またTRIOSは、ソフトウェアが充実しているために用いられていると思われる。スキャンのスピードは数年前と比べ格段に速くなり、上下顎2~3分で完了できるようになった。値段は20,000ドル前後と比較的購入しやすいと考える。ただ、それぞれその後メンテナンスやスリーブなどの消耗品に要する継続的な費用を考慮する必要がある。なおAlign Technology社は、米国内で多くの歯科矯正学教室を対象に口腔内スキャナーの無料貸出(何台でも可)をしており、筆者らとしては大変助かっている。 ここでひとつ、筆者らが行った口腔内スキャナーの研究を紹介したい1。筆者が2013年、オハイオ州立大学に赴任したときにもっとも驚いたことのひとつが、矯正歯科外来では印象採得がほとんど行われておらず、主に口腔内スキャナーから作成されたデジタル模型が使用されていることであった。そこで筆者が興味をもち行ったのが、実際に口腔内スキャナーが印象採得に比べてどのくらい患者にメリットがあるのかにつ55日本版オリジナルページレポート& 論考緒言米国の大学歯科矯正学教室で用いられている口腔内スキャナーについて 現在米国で多く使用されている口腔内スキャナーは、iTero(米国・Align Technology社)およびTRIOS(米国・3Shape社)かと思う。特に大学の歯科矯正学米国の大学矯正歯科と卒後教育におけるデジタル矯正歯科治療
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