Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2024年No1
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工藤 求Type1Type2Type3部分的に無歯顎で、全顎的な補綴治療Type4工藤 求 プリズムタワー工藤歯科〒153-0044 東京都目黒区大橋1丁目10−1連絡先 E-Mail: kudomotomu@yahoo.co.jpJournal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 1KUDO Motomu, D.D.S.キーワード アライナー矯正治療、歯周治療、歯周再生療法、骨欠損、デジタル、Type2表1 2022年のEFPのガイドラインでは歯周炎の重症度ステージ4がさらに4つのTypeに分類された二次性咬合性外傷による過度の動揺があり、補綴治療することなしに二次性咬合性外傷を修正できる患者PTM(歯の病的移動)をともなう患者。歯の挺出、移動、フレアを特徴とし、矯正歯科治療の適応となるを行わずに補綴修復が可能な患者部分的に無歯顎で、全顎的な修復が必要な患者(歯牙支持型補綴治療/インプラント支持型補綴治療)は、重症度・複雑度がステージ1〜4、進行リスクがA〜Cの3つのグレートに分類され1、さらに2022年のガイドラインではステージ4 Type2の治療に関して矯正歯科治療が適応であると明記された(表1)2。これまでも、歯周炎は重症化すると骨の支持を失い、咬合圧や口唇圧、舌圧などによって病的な歯の移動(Pathologic Tooth Migration:PTM)を起こすことが知られており3、Zasciurinskieneらの最近の報告によると、歯周炎ステージ3〜4の患者におけるPTMは上顎前歯の74.4%、下顎前歯の60.3%に観察された4。 これらPTMを患った歯周炎患者の歯列不正を治療するには矯正歯科治療が必要であり、重度歯周炎と矯正歯科治療は切っても切れない関係にある。89工藤求学術機関も注目する歯周‐矯正治療の必要性 歯周病は、2018年にAAP(米国歯周病学会)、EFP(ヨーロッパ歯周病連盟)の合同で出した2018年分類で歯周炎患者に対する矯正歯科治療の是非 歯周炎はアタッチメントロスをともなう感染症であるが、プラークコントロールや炎症のコントロールができない状態で歯周組織に矯正力をかけることは、人為的な咬合性外傷をかけることと等しくなる。この歯周炎のコントロールがない状態での矯正歯科治療は、日本版オリジナルページメソッドプレゼンテーション&症例報告PRADA-Oという新しい歯周-矯正治療の可能性

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