Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2024年No1
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a図9 歯周再生療法。下顎左側犬歯(a)、同両側第一大臼歯(b,c)に対してマイクロスコープ下でFGF-2製剤を処方した。PRADA-Oという新しい歯周-矯正治療の可能性Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 1図10 アライナー矯正治療開始時の口腔内写真。治療経過 下顎左側第一大臼歯遠心のう蝕が深く、歯髄炎を起こして歯周基本治療中に抜随に至った。歯周基本治療後の再評価ではプラークコントロールは改善したが、部分的に深い歯周ポケットが残存した。垂直性骨欠損である下顎左側犬歯遠心、同第一大臼歯遠心、同右側第一大臼歯近心にはFGF-2製剤を用いた歯周再生療法を実施した(図9)。6か月後、本症例ではBOPがないことを確認し十分な炎症のコントロールがなされていると判断して矯正力をかけ始めた(図10)。 矯正力は下顎左側犬歯がPOD4のIntrusion(圧下)、両側第一大臼歯がMIIDの方向に動くように、CBCTで確認しながら骨欠損形態に合わせた方向へ、ClinCheckで歯を動かす角度などを指示した。アライナー矯正治療は1日20時間使用、7日ごとの交換で上下顎ともに70ステージとする計画で始まったが、32ステージめでアンフィットが発覚し(次ページ図11)、再度治療計画を立案した。追加アライナーは上下顎ともに40ステージであった。治療開始後1年6か月で治療終了し、最終補綴治療、リテーナーによる保定へと治療を進めた。治療結果 矯正歯科治療終了後、PTMでフレアアウトしていた上顎前歯は改善され、欠損した上顎左側犬歯のスペースも閉鎖できた。また適正なアンテリアガイダンbc95

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