3 歯周組織の高い代謝活性 矯正歯科治療におけるバイオメカニクスは、矯正力により歯根膜を伸縮させ、破骨細胞と骨芽細胞のはたらきを誘導することで歯を移動させる。ローティーン患者ではこの代謝活性が高く7、歯槽骨のターンオーローティーン患者のアライナー矯正治療 (前編)ローティーン患者Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 4図4 垂直方向の成長パターン別に見る下顎骨の成長方向の違い。ローアングルケースは前後方向、ハイアングルケースでは垂直方向への成長が強い。図5 ローティーン患者は歯根の移動と歯周組織の適応が成人より良好に進む。歯根膜の代謝活性も高く、歯の移動速度も速い。図6 成人とローティーン患者の歯の移動の違い。ローティーン患者のほうが、高い代謝活性により治療の予測実現性が高い。歯根の移動が追いつかず、歯冠のみが傾斜移動しアライナーがアンフィットしている萌出力もあり歯根移動の確実性が高い(ブレーキーフェイシャルパターン)ローアングルケース成長にともないスピードアップ!成人バーも早いため、歯の移動も速くなる(図5)。この特性をアライナー矯正治療に利用することで、確実に歯根も移動させ、治療結果の予測実現性を高めることができる(図6)。また、歯の移動にともなう歯肉や歯槽骨などの歯周組織の順応もしやすいことから、成人症歯冠の移動歯根の移動歯周組織の適応(ドリコフェイシャルパターン)ハイアングルケース87
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