JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2024年No.4
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骨格性Ⅱ級骨格性Ⅰ級骨格性Ⅲ級参考症例2Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 4村松裕之 Hiroyuki Muramatsu, D.D.S., Ph.D. 市川矯正歯科医院 〒192-0904 東京都八王子市子安町4丁目6−1 Phiビル 連絡先 E-Mail: mail@shinwa.or.jp 本連載ではこれまで、症例を通して開咬・過蓋咬合傾向をともなうⅠ級およびⅡ級1類(連載第7回[本誌2024年1号]、第8回[2024年2号])、Ⅱ級2類(連載第9回[2024年3号])と論じてきた。今回は、同様にⅢ級不正咬合について論じる。 Ⅲ級不正咬合とはいっても、臨床的には骨格などが平均値に近く、臼歯関係もほぼⅠ級で、前歯部が反対咬合を呈するような症例も含まれる。したがって「機能性」「歯槽性」「骨格性」などのさまざまな接頭語が「Ⅲ級不正咬合」の前に付されることも多く、それぞれ診断や治療方法が異なってくる。本稿では、これらの症状を解説し、症例をとおして理解を深めていく。 なお、本連載の趣旨はアライナー矯正治療を前提とした基礎的な知識を習得するためのものであるため、含めると解説が複雑になりかねない成長期の治療については、除外して述べることをお断りしておきたい。Case図1 9つの顎顔面形態1,2顎顔面の骨格型を水平的、垂直的にそれぞれ3つのパターン(過蓋咬合、中顔型、開咬/Ⅰ級、Ⅱ級、Ⅲ級)にわけ、計9つのパターンに分類している。さらに、それぞれに対して可能性のある上顎骨・下顎骨の状態を色分けして示した。図の端へ行くほど症例の難易度が高まる。骨格性の下顎前突はD3、M3、O3に相当する。連載第8・9回ではM2領域の診断と治療について述べたが、今回はM3領域の診断と治療について述べる骨格性過蓋咬合D2D1D3中顔型M2M1M3骨格性開咬O2O1O3参考症例1114第10回症例から学ぶセファログラムの活用④Ⅲ級不正咬合の治療におけるセファログラムの活用[1]日本版オリジナルページ [連載] 矯正分析に強くなる ベーシックを学び、診断力をつける・伸ばす村松裕之 [東京都・市川矯正歯科医院]

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