牧野正志牧野正志 MAKINO Masashi, D.D.S.まきの歯列矯正クリニック 〒276-0049 千葉県八千代市緑が丘1-2-19-201 連絡先 E-Mail: makino.ortho@gmail.comJournal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 5キーワード アライナー型矯正装置、上顎前突、遠心移動、抜歯治療、固定源、成長期題の解決が難しいこと、非抜歯治療には他の矯正装置の併用が必要になること、口腔衛生環境が悪化することが挙げられる(図1)。そこで以下に、これらのブラケット装置の問題点を、アライナーを用いることで解決する方法を説明する。図1 ローティーン患者に対するブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行う際に生じる問題。ローティーン患者へのブラケット矯正治療ブラケット装置による治療で起こる問題85牧野正志 前号は、ローティーン(10代前半)から矯正歯科治療を開始するメリットについて説明した。今回は、そのローティーン患者において、ブラケット装置ではなくアライナーのほうが優位な点があることを解説する。なお以下に述べることは、患者・症例個別の対応や判断が必要であり、また歯科矯正学の知識に裏打ちされた適切な検査診断がなされたることが前提でのこととご承知おきされたい。日本版オリジナルページメソッドプレゼンテーション&症例報告ローティーンのアライナー矯正治療で解決できる点ローティーンのブラケット矯正治療の問題点 アライナーが普及する以前は、ローティーン患者にはブラケット装置による矯正歯科治療を行うことが一般的であった。しかし、永久歯列になったばかりの小中学生にブラケット矯正治療を行う場合、さまざまな問題が起こりうる。具体的には、成長期では垂直的問1 成長期の垂直的コントロールの難しさ2 他の矯正装置の併用による治療の複雑化3 口腔衛生環境の悪化によるう蝕と歯肉炎ローティーン患者のアライナー矯正治療(後編)
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