nico 1月
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WHY?88QA歯科医院の問診票には近ごろ持病や持病の薬についての質問がありますね。けっこう面倒ですが、必要あるんですか?持病の治療にとっては大切な薬でも、歯科治療の際、副作用が出ることがあります。安全な治療をご提供したいので服用中の薬についてぜひ教えてください。安全な治療をご提供するために。ご協力をお願いします! 歯の治療にからだの治療が影響するということに、ピンと来ないかたは多いと思います。 ひと昔前まで、歯科医師も歯とからだの関係を気にする必要が少なかったのです。かつての歯科医院はむし歯や歯周病(歯槽膿漏と呼んでいました)の患者さんであふれ、高齢者になるまでに多くのかたは歯を失っていました。歯科医師は、健康な子どもや大人の患者さんを相手にして、歯科特有の病気に目配りしていればよかったのです。 しかし、時代が変わっていまは超高齢社会です。65歳以上の高齢者が25%を超え、今後10年ほどで3割を超えるといわれています。子どものむし歯が減るなか、歯科医院においでになる患者さんの多くは中高年層です。なかでも高齢者の患者さんは人口動態の変化とともに増え続けています。 そしてその多くは持病を持ち、他科で処方された薬を常用しています。統計では65歳以上の高齢者の約6割が循環器系の問題を抱え、多くの患者さんby Dr. 今井 裕獨協医科大学医学部口腔外科学講座主任教授日本有病者歯科医療学会理事長
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