nico 1月
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持病の薬と歯科治療。15 junuary 2014STEP1STEP2STEP3STEP4STEP5ていねいなセルフケアと歯科の定期的なクリーニングで骨壊死を防ぎましょう!原因のひとつは細菌です。お口を清潔に!抜歯をするなら休薬してから。 すでにBP剤を飲んでいるかたは、毎日の歯みがきをていねいに行い、歯科のクリーニングに定期的においでください。お口のなかの細菌は、あご骨の壊死のリスクになってしまいます。そこで発症の予防に効果があるのが口腔ケアです。 これから服用するというかたは、その前に歯科を受診し、抜歯などの必要な治療をあらかじめ済ませましょう。服用を開始してからも定期的にお口の健康チェックを受け、お口の清潔を保っていきましょう。 入れ歯によるキズも骨壊死のきっかけになります。キズや炎症を防ぐため、入れ歯の清掃をていねいにし、調整には定期的に通いましょう。 抜歯などの外科治療が必要な場合は、歯科医師が骨粗しょう症の治療の主治医と連携を取り、歯科治療の準備のための休薬の相談をします。 医科の主治医の判断で休薬をすると、約3ヵ月後にはあごの骨の代謝が一巡し、薬の影響が減ってきます。抜歯後はしっかりと縫合して、細菌感染を防ぎます。 ただ、がんの転移を防ぐ注射薬のBP剤をお使いの患者さんは、休薬が望ましくないことも多いです。この場合は通常、抜歯よりもがん治療を優先することになります。なぜあごの骨が壊死するの? BP剤の副作用は、なぜあごの骨だけに特徴的にでるのでしょうか。それには、あごの骨特有の性質が関わっています。 あごの骨はつねに強い力が加わるため、からだの骨のなかでもっとも早く代謝します。ことに下あごの骨はからだの10倍の速さで生まれ変わっているといわれます。この代謝を止め、骨が蓄積し骨密度が増すように作用するのがBP剤です。 本来ならば、さかんに新しく生まれ変わるはずのあごの骨の代謝を止め、古い骨を温存することによって生ずるひずみが骨壊死をまねくのではないかと考えられています。 また、あごの骨を覆っている歯ぐきは、からだの骨を覆う皮膚にくらべて格段に薄くデリケートです。からだの骨は、よほど激しい擦過傷にでもならない限りむき出しにはなりません。しかし歯ぐきは、抜歯や、入れ歯によるキズなどによって破れやすく、結果的にあごの骨は細菌にさらされやすいのです。むし歯や歯周病のために細菌があごの骨まで入り込むこともあります。こうしたリスクが重なると、あご骨の壊死が起きてしまいます。むし歯を放置し根に膿が!薄い歯ぐきにキズが!歯周病を放置し炎症が!あごの骨の周りには骨壊死のリスクがいっぱい?!
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