nico 2014年6月
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WHY?12QAインプラントって歯周病になるんですね。人工の歯は病気にならないと思ってました。病気になるとインプラントはどうなりますか?最初は、歯ぐきから血が出る程度ですが、放っておくと膿うみが出たり噛んだときに違和感が生じ、ついにはインプラントがグラグラしはじめます。こうなると、治すのは不可能なので早期発見がたいへん重要です。インプラントの歯周病ってどんなの? インプラントは人工歯。手術が成功しインプラント体が歯槽骨とガッチリ結合すれば、あとは病気の心配はないように思われがちです。ところがむしろインプラントのほうが、天然歯よりも歯槽骨を守るための防御機構がぜい弱で、歯周病には弱いのです(↓10ページ参照)。 インプラントの歯周病は、天然歯の歯周病と同じく、まず歯ぐきの腫れからはじまります。歯ぐきの溝に溜まったプラークに棲む細菌が悪さをするのです。天然歯の歯周病と同じで痛くもかゆくもないのですが、フロスや歯間ブラシを使うと血が付くのですぐにわかります。 じつはこの時点ですぐに歯科医院で検査を受け、プロのクリーニングで徹底的にきれいにしセルフケアを改善すれば、歯ぐきはもとどおり、スッキリと治ります。 ところが怖いのはここからです。忙しいし痛くないから、とつい歯科医院に行かず、セルフケアも改善しないでいると、歯ぐきの炎症はさらに広がっていきます。 すでにご説明したとおり、インプラントの場合、歯槽骨と細菌を隔てるのは歯肉線維のない歯ぐきのみ。この歯ぐきが細菌に侵された状態が続いていては、歯槽骨に細菌が入り込むのは時間の問題。とても危険な状態ですが、まったく痛くないので、患者さんにはその病状がいったいどの程度進んでいるのかがわかりません。 いったん細菌が侵入すると、防御機構が弱い分、歯槽骨の炎症が進みやすく、肝心かなめの「歯槽骨とインプラントの結合」(↓9ページ参照)は次々に破壊されてしまいます。最初は違和感が、そして膿が出はじめ、最後はグラグラになってしまいます。 インプラントを歯周病から守るには、ふだんのセルフケアをていねいにすること。そして歯間ブラシやフロスを使っていて血が付いたら、すぐに歯科医院で診てもらうことです。歯ぐきが教えてくれる最初のエラーメッセージを見落とさないようにしましょう!

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