nico 10月
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HOW?1616むし歯は遺伝ではありません。 患者さんのなかには、「うちはむし歯の多い家系だから」とあきらめ顔でおっしゃるかたがいます。たしかに口のなかのむし歯菌の多寡については、お子さんはご家族の影響を受けがちです。しかし、むし歯菌が多くハイリスクなお子さんでも、永久歯が生えはじめる頃から予防していけば、歯を削らずに成人することは十分可能なんです。 私の臨床経験では、成人した時点で詰めた歯を3本ほどに抑えられていると、その後歯のデス・スパイラル(10〜11ページ参照)にまず巻き込まれず、大きな治療が必要になりにくいという実感を持っています。 むし歯には、穴が開く前の「初期むし歯」と呼ばれる段階があります。予防歯科では、プラークをきれいに取ってエアをかけ、穴が開くだいぶ前に白濁した初期むし歯を見つけます。そして半年前にはなかったのに今回あったのはなぜなのか、そのことに立ち返ってリスクアセスメントをします。 原因がわかればそれを改善してリスクを下げ、むし歯の進行を止めて穴が開かないようコントロールしていきます。方法は単純で、毎日の歯みがきと食習慣の改善、そしてフッ素を使って予防していく。あとはシーラント。これをコツコツ続ければよいのです。 「うちはむし歯の多い家系だから」とあきらめることはありません。予防に熱心な歯科医院に定期的に受診して、穴が開かないうちにむし歯を発見し、予防をして進行を止めれば、削って詰めなければならないほどの大きなむし歯を減らすことができます。むし歯の多いご家族こそ、メインテナンスはおすすめです。メインテナンスは予防に効果があるそうですが、うちは親子そろってむし歯の多い体質です。うちの子にも効果はあるのでしょうか?大丈夫です。むし歯は、遺伝ではないので、予防を続ければ、しっかり効果が上がります。QA
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